神と成る

ほんや

やあ、僕は◯だ。




 やあ、僕は神だ。


 僕は何でもできる。何でもって言ったってよくわからないか。そうだなぁ……例えば、空を飛んだり、火を吐いたり、円周率を延々と言い続けたり、誰も知らないような、例えば人の気持ちなんてものも知ってるし、人をいや、生物を創ったりすることもできる。望むなら人を大虐殺することだってできてしまう。どうだい、羨ましいだろう。 え、羨ましくない? ふうん、何でもできたら楽しみがなくなる、と。ふむふむ、何でもできたら自制が効かなくなって怖い、か。なるほど……そのことか。まあ、大丈夫さ。別に僕だって何でもできるってわけじゃないし。僕は空を飛んだり、火を吐いたりできないし、円周率なんて10桁も覚えてない。人の気持ちもわからないし、生物を創るなんて方法を教えてほしいぐらいだし、殺したりなんかもそんな度胸なんてない。ん? さっきと言ってることが違うって? そりゃあそうだよ。なんたって僕は……おっとまだ言っちゃだめなんだった。まあちょっとだけ待ってくれ、これを伝えるために僕はここに来たんだから。自分でちょっと考えてみてよ、自分でたどり着くことは何よりも大切なんだよ。本当に僕は何も間違ったことなんて言っちゃあいない。ヒント? それはこの文章の制作者を見てみるとわかると思うな。それじゃあそろそろ答え合わせとしましょうか。僕は……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る