降ってくるアイデアを見逃さないメモ活用

星咲 紗和(ほしざき さわ)

本編

創作活動において、アイデアはまさに生命線です。ふとした瞬間に現れるひらめきや、日常の中で感じた違和感、あるいは他人との会話の中で発見した新しい視点。これらすべてが創作の種になり、芽を出す可能性を秘めています。しかし、アイデアというのは、つかまえようとするとスルリと逃げてしまうものでもあります。その一瞬のひらめきを見逃さず、形にするための「メモ活用」は、創作者にとって欠かせない技術と言えるでしょう。


アイデアはすぐに消えてしまうもの


どんなに鮮烈なアイデアが頭に浮かんだとしても、私たちはそれを長く覚えていられません。日常生活にはさまざまな出来事や情報があり、それらが次々に頭の中を埋め尽くしていきます。思いついたアイデアもその一つでしかなく、気づけばすぐに忘れてしまいます。そのため、私はアイデアが浮かんだ瞬間にメモを取る習慣を身につけました。


このメモは、スマートフォンのメモアプリに書き留めることもありますし、手書きのノートにさっと書くこともあります。また、どうしても手を動かせない場面では、ボイスメモに録音することもあります。大切なのは「その場で記録すること」です。どんな方法であれ、思いついた瞬間に記録することで、アイデアは逃げることなく形として残ります。


アイデアは質よりも量、そして柔軟に受け入れる


アイデアを記録する上で大切にしているのは「質よりも量を意識する」ということです。完璧なアイデアや完成度の高い発想ばかりをメモに残そうとすると、実際にはなかなかメモが増えません。しかし、創作においてはとにかく多くのアイデアが必要です。面白そうだと感じたものや、ひとまず残しておきたいと思ったものは、細かい評価をせずにまず書き留めます。こうして残したメモを後から見返すことで、新しいインスピレーションが湧くこともあります。


加えて、どんなアイデアも柔軟に受け入れることを心がけています。最初は「これは使えない」と思っていたアイデアも、後から見直すと違った価値が見えることがあります。私は自分の中にある「可能性」を信じ、どんなアイデアでも一度は形にしてみるようにしています。創作の種は、意外なところから芽を出すことが多いからです。


メモの管理と活用法


日々増えていくメモをそのままにしておくと、後で見返すのが難しくなります。そのため、私は定期的にメモを整理し、カテゴリーごとに分けたり、タグをつけたりしています。この管理方法は人それぞれですが、自分が後で見返しやすい形にすることがポイントです。私はジャンルやテーマごとに分けたり、内容に応じて色分けをすることで、いつでも必要なメモをすぐに見つけられるようにしています。


また、メモを活用する際は、書き起こしたアイデアを少しずつ育てていくことも大切です。例えば、一つのアイデアについて少し深く掘り下げてみたり、関連する情報を調べて新しい視点を加えたりします。こうして育てられたアイデアは、最終的に作品の骨格を支える大きな柱になり得ます。


アイデアを記録する習慣が生む創作の喜び


メモ活用を通じてアイデアを蓄積することには、単に「忘れない」という以上の意味があります。アイデアをメモするたびに、自分の創作に対する意識が深まり、さらに新しい発想が生まれることも少なくありません。アイデアを記録するという行為そのものが、創作活動を支える力となり、次なる作品へのモチベーションにもつながっていくのです。


「創作とは、日々の中での気づきや発見を形にすること」。そう考えると、日常の中で浮かぶさまざまなアイデアを記録することは、作品を生む源泉を確保するための習慣に他なりません。私は今後もこの習慣を続け、どんな些細なひらめきも逃さず、創作に活かしていきたいと思います。


まとめ


創作活動において、アイデアは一瞬で消え去ってしまう儚いものです。その貴重なひらめきを見逃さないために、メモを活用することは重要なスキルとなります。思いついたアイデアは、その場で記録し、後でじっくりと育てることで、作品の種となり得ます。どんなアイデアも柔軟に受け入れ、量を重視して蓄積することで、より豊かな創作の可能性が広がります。この「降ってくるアイデアを見逃さないメモ活用」は、私にとって創作の礎であり、今後も大切にしていきたいと思います。

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降ってくるアイデアを見逃さないメモ活用 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92

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