第43話 眠る砂の巨人
砂漠の音を奏でるオルゴールを手にし、新たな力を胸に旅を続けるシンちゃん、キラちゃん、そしてサンドフィッシュ。三人は砂漠の奥へと進む中で、さらに不思議な光景に出会いました。
ある日、砂漠の地平線の向こうに、巨大な岩のような影が見えました。それは、まるで人が横たわっているかのような形をしています。
「見て!あれ、何かの彫刻かな?」とキラちゃんが興奮気味に言いました。
「いや、ただの岩じゃなさそうだ。あの大きさ、まるで巨人が眠っているみたいだよ!」とサンドフィッシュが慎重に観察します。
「行ってみよう!もしかしたら新しい試練が待っているかも!」とシンちゃんが意気込んで前へ進みました。
巨人の正体
三人がその巨大な影の近くにたどり着くと、それは砂でできた巨大な人型の彫像でした。巨人はまるで眠っているかのように静かに横たわり、砂漠の風にさらされています。
「これは…砂の巨人だ!」とサンドフィッシュが驚きの声を上げます。
「砂の巨人?」とキラちゃんが尋ねました。
「伝説で聞いたことがあるよ。この砂の巨人は、砂漠の力を守る守護者なんだ。でも、長い間眠りについていて、誰もその力を目覚めさせることができないって…」とサンドフィッシュが話しました。
すると、巨人の胸の部分が微かに光り始めました。その光は徐々に強くなり、やがて低い声が砂漠に響き渡りました。
「旅の者たちよ。この地に訪れたのは、君たちが初めてではない。私は砂の巨人。この砂漠を見守るため、永い眠りについている。しかし、君たちの存在が私を目覚めさせた」
「私たちが…目覚めさせたの?」とシンちゃんが驚きながら尋ねました。
「君たちが砂漠で得た力と希望が、私の力を目覚めさせたのだ。しかし、私の力を完全に取り戻すには、試練を乗り越える必要がある」と巨人は続けました。
巨人の試練
「試練って、何をすればいいの?」とキラちゃんが尋ねました。
巨人は静かに言いました。「私の体に刻まれた三つの紋章を見つけ、それを正しい順番で触れるのだ。それぞれの紋章は、砂漠の過去、現在、未来を象徴している。正しい順番で触れることで、私の力が蘇るだろう」
三人は巨人の体を慎重に調べ始めました。体の表面には複雑な模様が刻まれており、その中に星の形、砂時計の形、太陽の形の紋章が埋め込まれています。
「これが紋章だね。でも、どれから触れればいいんだろう?」とキラちゃんが迷います。
「砂時計が過去、星が現在、太陽が未来を象徴してる気がする」とサンドフィッシュが考えました。
「でも、正しい順番って、どうやって決めるの?」とシンちゃんが言います。
三人はこれまでの旅を思い返しながら、順番を議論しました。
「過去がなければ現在も未来もないよね。だから、砂時計が最初じゃないかな?」とシンちゃんが提案します。
「それから、今の私たちを表す星、そして未来の希望を示す太陽だ!」とキラちゃんが賛成しました。
力の復活
三人は巨人の体に刻まれた紋章を正しい順番で触れました。すると、巨人の体全体が輝き始め、その輝きは砂漠全体に広がりました。
「見事だ、旅の者たち。君たちは過去を敬い、現在を理解し、未来を信じた。その心が私の力を蘇らせた」と巨人は言いました。
巨人は胸から小さな砂の結晶を取り出し、三人に手渡しました。「この結晶は、砂漠の力を象徴するものだ。これを持って、君たちの旅を続けなさい」
三人は結晶を大切に受け取り、「ありがとう、砂の巨人さん!」と声を揃えて感謝しました。
巨人は再び横たわり、砂に溶け込むように眠りにつきました。しかし、その姿はどこか安心しているように見えました。
次の冒険へ
砂の巨人との出会いは、三人にとって砂漠の歴史と未来を考える大切な機会となりました。
「過去、現在、未来が全部繋がってるってことなんだね」とキラちゃんが微笑みます。
「この結晶が、私たちの旅をさらに力強いものにしてくれるはずだ!」とシンちゃんが力強く言いました。
「砂漠の奥にはまだ何か特別なものが待ってる気がする!」とサンドフィッシュが期待に胸を膨らませました。
三人は結晶を胸に、新たな冒険と試練を求めて、さらに深い砂漠の世界へと歩き出しました。その先に待つものは、まだ誰も知らない未知の未来です――。
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