第42話 砂漠の音を奏でるオルゴール
星の砂丘で「星の砂」を手にし、新たな希望と力を胸に抱いたシンちゃん、キラちゃん、そしてサンドフィッシュは、さらなる冒険へと足を進めていました。
ある日の夕暮れ、三人は砂漠の中で小さな音が風に乗って聞こえることに気づきました。その音は、まるでオルゴールが奏でるメロディーのように柔らかで心地よいものでした。
「聞いて!この音、どこか懐かしい感じがする!」とキラちゃんが耳を澄ませます。
「本当だ。砂漠でこんな音が聞こえるなんて不思議だね」とシンちゃんが首をかしげました。
「音のする方へ行ってみよう。きっと何か特別なものがある!」とサンドフィッシュが提案し、三人は音の方向へと向かいました。
音の源
三人が音をたどって進むと、砂漠の真ん中にぽつんと置かれた古いオルゴールを見つけました。オルゴールは誰も触れていないのに、ゆっくりと回りながら美しいメロディーを奏でています。
「これが音の正体だったんだ!」とキラちゃんが驚きます。
「でも、どうしてこんな砂漠にオルゴールが?」とシンちゃんが不思議そうに尋ねました。
すると、オルゴールのそばに砂が舞い上がり、その中から小さな精霊が現れました。
「こんにちは、旅の者たち。このオルゴールは『砂漠の音の記憶』を奏でるもの。私は音の精霊です」と精霊が柔らかな声で話しかけました。
「砂漠の音の記憶?」とサンドフィッシュが尋ねます。
精霊はうなずき、「砂漠にはさまざまな音があり、それぞれが過去の記憶や未来への希望を伝える力を持っています。このオルゴールは、砂漠の音を集めて物語として紡ぐものです」と説明しました。
音の試練
「あなたたちがこのオルゴールの音を受け取るには、試練を乗り越えなければなりません」と精霊は続けます。
「どんな試練?」とキラちゃんが興味津々で聞きました。
「砂漠の音を感じ取り、それぞれの音が何を意味しているかを解き明かすのです。これまでの旅の中で聞いた音を思い出し、自分たちの心に問いかけなさい」と精霊が言いました。
オルゴールが再びメロディーを奏で始め、その音は三人の心に響きました。
音の解釈
最初に聞こえたのは、風が吹き抜ける音。
「これは、風の精が教えてくれた自由の音だ!」とシンちゃんが答えました。
次に聞こえたのは、砂が流れるような音。
「これは、砂嵐の中で試練を乗り越えたときの音だね!」とサンドフィッシュが言いました。
最後に聞こえたのは、遠くから響く鐘の音。
「これは、砂漠の村でみんなと一緒に過ごした温かい記憶の音だ!」とキラちゃんが感動して答えました。
三人の答えを聞いて、精霊は微笑みました。「見事です。あなたたちは砂漠の音を感じ取り、その記憶を紡ぎました。このオルゴールを受け取りなさい。これからの旅において、心の支えとなるでしょう」
特別な贈り物
精霊はオルゴールを三人に手渡しました。「このオルゴールには、あなたたちの旅の音がこれからも刻まれていきます。迷ったとき、この音を聴き、自分たちの歩みを思い出してください」
三人はその贈り物を大切に受け取り、「ありがとう、音の精霊さん!」と声を揃えて感謝を伝えました。
精霊は微笑みながら、「あなたたちの旅が音楽のように美しく続きますように」と言い残し、砂の中へと消えていきました。
次の冒険へ
三人はオルゴールを持ち、新たな決意を胸に再び砂漠を進み始めました。
「このオルゴール、旅のすべてを覚えていてくれるんだね!」とキラちゃんが嬉しそうに言います。
「うん、これからもたくさんの音を刻んでいこう!」とシンちゃんも笑顔で答えました。
「砂漠が奏でる音、これからも大切にしていきたいね」とサンドフィッシュが静かに言いました。
砂漠の音を奏でるオルゴールを手にした三人は、旅の記憶と新たな力を胸に、さらなる冒険へと歩みを進めていきました。その音楽は、彼らの心に響き続けることでしょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます