第22話 砂漠の鏡

サソリたちとのかくれんぼを終え、新しい砂のお守りを手にしたシンちゃん、キラちゃん、そしてサンドフィッシュ。三人は砂漠の広がる景色を眺めながら、次の冒険への期待を胸に進んでいました。


しばらく歩くと、地面に何かがきらきらと光っているのを見つけました。それは、砂の中に半分埋もれた大きな鏡のようなものです。


「見て!これ、何かの鏡じゃない?」とキラちゃんが駆け寄り、鏡の表面を覗き込みました。


シンちゃんも「ほんとだ!でも、この砂漠にどうして鏡があるんだろう?」と不思議そうに言います。


鏡は大きく、表面はピカピカに輝いていますが、砂に埋もれている部分も多く、全貌はまだ見えません。


サンドフィッシュが鏡の周りを歩きながら、「これはきっと、ただの鏡じゃないよ。この砂漠には不思議なものがいっぱいだからね」と言いました。


三人で鏡の周りの砂を掘り始めると、鏡がさらに大きなものだとわかりました。そして掘り進めるうちに、鏡がひとりでに光を放ち始めました。


「わあ、眩しい!」とキラちゃんが目を細めます。


光が収まると、鏡の表面には三人の姿が映し出されていました。しかし、そこに映る三人の姿は現実の彼らとは少し違っています。どこか自信に満ちあふれ、まるで未来の自分たちを映しているように見えました。


「これって、私たちの未来の姿?」とシンちゃんが驚いて言いました。


「そうかもしれないね。なんだか、もっと強くて頼もしい感じがする!」とキラちゃんも目を輝かせます。


そのとき、鏡の中から声が聞こえました。「あなたたちの心が試されるとき、この鏡は真実を映します。この道のりで、あなたたちは何を信じ、何を守るのですか?」


三人はその言葉に少し戸惑いましたが、シンちゃんが勇気を出して言いました。「私たちは、仲間を信じる心を大切にして、どんな困難も一緒に乗り越えます!」


キラちゃんも「そうだね!私たち、みんなで力を合わせて進んでいく!」と続けます。


サンドフィッシュも静かに頷き、「そして、この砂漠の不思議や美しさを守りたい。ここは特別な場所だから」と言いました。


三人の言葉を聞くと、鏡は再び輝き始め、表面に「信じる心と仲間の力が、新たな道を開く」という文字が浮かび上がりました。


「新たな道?」とシンちゃんがつぶやくと、鏡が少しずつ消え始め、代わりに地面に新しい道が現れました。その道は砂でできていますが、まるで案内するかのように遠くへと続いています。


「これが、次の目的地への道なんだ!」とサンドフィッシュが興奮して言いました。


三人は鏡に向かって「ありがとう!」と声を合わせると、新しく現れた道を進むことにしました。


「この道を進んだ先には、きっとまた何か特別なものが待ってるね!」とキラちゃんが笑顔で言い、シンちゃんも「うん!楽しみだね!」と頷きました。


鏡が示した道は、三人に信じる心の大切さを教え、次の冒険への希望を与えてくれました。砂漠の奥深く、未知の世界を目指して歩き始めた三人の旅は、ますます輝きを増していきます。

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