第21話 かくれんぼのサソリたち

太陽の城で光の力を授かったシンちゃん、キラちゃん、そしてサンドフィッシュ。胸に新たな力を感じながら、三人は次の目的地へ向かって砂漠を進んでいました。


「太陽の城、すごかったね!まだ胸がぽかぽかしてるよ」とキラちゃんが嬉しそうに話します。


「うん、この力があれば、もっと難しい冒険も乗り越えられる気がする!」とシンちゃんも頷きました。


そんな話をしながら歩いていると、砂丘の陰から突然、小さな生き物がぴょんと飛び出してきました。それは砂漠に住むサソリたちです。


「こんにちは、旅の者たち!」と、先頭に立つサソリが話しかけてきました。彼らは小さな体でありながら、威厳を漂わせています。


「こんにちは!私はシンちゃん、こっちはキラちゃんとサンドフィッシュ。砂漠を冒険してるんだ!」とシンちゃんが元気よく挨拶しました。


「なるほど、冒険者か。それなら、私たちと遊ばないか?」とサソリが提案しました。


「遊び?どんな遊び?」とキラちゃんが興味津々で聞くと、サソリたちはニヤリと笑って答えました。「砂漠のかくれんぼだよ!」


サソリたちは砂漠の地形を利用してかくれんぼをするのが得意で、旅人に挑戦状を叩きつけるのが大好きだと言います。


「かくれんぼって、ちょっと楽しそう!」とキラちゃんが大喜びで手を挙げると、シンちゃんとサンドフィッシュも「やってみよう!」と賛成しました。


ルールは簡単。サソリたちが砂の中や岩陰に隠れるので、シンちゃんたちはそれを見つけるというものです。制限時間は砂時計が落ち切るまでの5分間。


ゲームが始まると、サソリたちは「さあ、隠れるよ!」と言いながら砂の中や周りの岩陰に素早く潜り込みました。彼らの素早い動きに、三人は目を丸くします。


「よし、私たちも負けてられないね!」とシンちゃんが気合を入れて捜索を開始します。


キラちゃんは砂丘を掘り起こしながら、「ここにいるかな?」と一生懸命探しますが、なかなか見つかりません。サンドフィッシュは得意の砂の感触を頼りに、「ここにいそうだよ!」と予想しながら掘り進めます。


すると、シンちゃんが岩陰で小さな動きを発見!「いた!」と叫ぶと、サソリの一匹が「やられた!」と笑いながら出てきました。


その後も三人は協力して砂漠を捜索し、砂時計が落ちる直前にほとんどのサソリを見つけることができました。


ゲームが終わると、サソリたちは口々に「君たち、なかなかやるじゃないか!」と感心します。


「君たちのチームワークには驚いたよ。特に、砂漠の知識を使ったあの掘り方、すごかったね!」とサソリのリーダーが褒めてくれました。


「私たちも楽しかったよ!ありがとう、サソリさんたち!」とシンちゃんが笑顔で答えました。


サソリたちは別れ際に、「これはお礼だよ」と言って、小さな砂のお守りを手渡してくれました。それは砂漠の動物たちが持つ知恵の象徴だと言います。


「このお守り、大切にするね!」とキラちゃんが嬉しそうに言い、三人は感謝の気持ちを込めてサソリたちに別れを告げました。


かくれんぼで培ったチームワークを胸に、三人は再び冒険の旅路を進み始めます。砂のお守りは、これからの試練や困難を乗り越える力となることでしょう。


新しい仲間との楽しい時間と、お守りを得た三人の冒険は、ますます深まる砂漠の未知の世界へと続いていきます。

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