第5話 神様登場?

2人が階段を登り始めるてしばらくしたころ…


「ねぇシロ?」

クロは長い階段を休みなしに登り続けているのでもう汗だくだ。

「なに?」

「疲れた…」


階段はらせん状になっていて先が見えない

終わりが見えない階段とレンガの壁がより一層不安感をあおる


本を開き詳細を確認するが果てしなく長い階段だとしか記載がない。


仕方ない、おとなしく登ろう…


窓が無く、どれだけ登ったかも分からなくなったころ…


『!!』

2人の前に大きな扉が現れた


「ここは…?」

クロは私の背後にさっと隠れる

本の内容を確認するとどうやらここは「神の居間」と呼ばれていたらしく、入ることは禁止されていた、この日記の持ち主(おそらく自分)によると私も数回しか入ることはなかったようだ。

この部屋の詳細はどこにも書いていない。


実際に入ってみて確認するしかなさそうだな…


「入るよ…」

私は決意を固めて少し錆びついたように見えるドアノブに手をのばす。


すると扉は音もなく静かにひらいた。

「!!」

流石神の居間、神聖な感じがする…


扉の先は極楽浄土を彷彿とさせる自然が広がっていた。


「なにこれ…」

クロは美しい景色に放心状態だ

地面にも自分の足首ほどの高さまで伸びたみずみずしい緑の野草が生い茂っている。


一歩前に出ると山の澄み切った空気に包まれる

「ここが…神の居間?」

見渡す限りどこかの森の中にしか見えない空間に驚く。

クロはさっきまでの疲れが吹き飛び、走り回っている。


少し部屋を探索していると急に開けた場所に出た

「中心に小さな池がある」


水は澄み切っていて光り輝いている。

クロが興味津々に川底を覗き込む

「なんか光ってるよー」

クロは川底を指差す。


クロは川に手を突っ込み

光っている物体を拾い上げる

「これなに…?」

謎の物体の正体はクロの慎重の半分のサイズはある大きなカプセルだった。

「何か入ってるよ?」

クロはカプセルの中を覗き込んでいる


「多分こうやったら…」

カプセルについている何かのスイッチに見える突起を押してみる。

すると、ゆっくりカプセルが開き始めた。

クロは目をキラキラさせながら歓声を上げる

中にはクロと同じ位の大きさの大きなぬいぐるみが入っていた。


「ぬいぐるみ…?」

よく見ればぬいぐるみにしては大きすぎるし作りも精巧すぎるような気がする。


ぬいぐるみはオオカミ女のような見た目でとても可愛らしい。ぬいぐるみというよりかはフィギュアのような精巧さもある。


「クロ?このぬいぐるみどうする…」

「ぬいぐるみ?…私が…?」

どこからか聞き覚えのない声が聞こえる。

「!!」

クロと私が驚いて動くぬいぐるみを見る。

「このぬいぐるみ動くの?」

クロが私に困惑した表情を向ける。

「だ〜か〜ら〜ぬいぐるみじゃないの…」

ぬいぐるみが小さな手足をばたつかせる

かわいい…

そのすがたに私が心を射抜かれていると

「我は千年、この世界の神だそ!崇め奉れ!」

千年(チトセ)と名乗る少女は自分が神だと言い張った。



















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色のない世界で あるふぁ @aryuha

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