色のない世界で

あるふぁ

第1話 プロローグ

目が覚めると薄暗い真っ白な部屋の中だった。

「ここはどこ?」

私はゆっくりと身体を起こす。

全身が痛く、とてつもなく重く感じる。

私は静かに部屋を見渡すがここには椅子と机、本棚があるだけだ。

「あれ…私、誰だっけ…どうしてここに」

記憶がない…過去のことについて思い出そうとすると頭が痛くなる。

「もしかして記憶喪失…?」

これからどうしようか…私は絶望的な気持ちになりながらもゆっくりと立ち上がった。

「何か私についての手がかりになりそうなものはあるかな…」

フラフラした足取りで机に向かう

何か置いてある…机の上に1冊の本が置いてある表示にはDIARY(日記)と書かれている

「私が書いた日記かな」

私は椅子に座って日記を開く

「何か書いてある…」

私は日記の1ページ目に書いてある一文を見る。

「『シロ』これが私の名前?」

日記の1ページ目の下の方に小さく自分の名前が書かれていた。

「私はシロ…」

さらにページをめくっていく

シロの守という言葉を何度も文章中に見かけた、どうやらこれが自分の役目、シロは白色をつかさどる精霊や神に近い者らしい。

私は日記に書いていたことをしっかり頭に刻みこみながら日記を読んでいった。

私が暇なことを紛らわせるために日記を読み出してしばらく経った頃…

「あと少しで読み終わるかな…」

シロは突然ページを読む手を止め驚いた様子で目を見開いた。


日記にはこう書かれていた。

『もう終わりだ』



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