それでも君と、生きていく。
朝雨さめ
三月 山城要の場合
100年後に結婚する僕と彼
初めて男を好きになったのは中学一年の時だった。
同じクラスのサッカー部に恋をした。健康的に焼けた小麦色の肌と、爽やかな顔が僕の好みだった。
中学三年の春、転校生が僕のクラスにやってきた。名前は
必然と僕たちは仲良くなった。
同じ部活に入って、同じ委員会で、同じ通学路で。
クラスのやつらは俺らを「ニコイチ」と呼んでいた。一度だけ、野球部のやつに「お前らデキてんの?」と言われ頭に来たが、惣吾は「だったらなんなんだよ」と意にも介していないようだった。
それを否定はしなかった惣吾に、好感を持った。
そんな生活を送る中で、いつしか僕、
そのまま高校に上がって、中学の頃と同じように惣吾と一緒に学校生活を送っていた。
高二の夏、惣吾と二人で海に行った。
その時に、惣吾から告白された。
嘘だと思うだろう。僕もその場に居なければよくできた___できすぎた話だと思う。だけどどうやら惣吾は本気らしかった。
「僕のどこが好きになったの?」
「全部」
惣吾はそんなことを恥ずかしげもなく言った。
「ちなみに僕はゲイだけど、それは気づいてたの?」
「薄々。女とか興味なさそうだったし。ワンチャンに賭けて告白した。まあ予想が外れてもお前は俺のことを言いふらすような奴じゃないと思ってたから俺としては告白し得だったの」
「なんだよそれ」
そう言って笑うと、惣吾も笑った。
「これかなりボーイズラブじゃない?」
海から帰るとき、ふざけて言った。
「かなりボーイズラブだね」
「夢みたいだ」
「それはこっちのセリフ」
そんなことを言いながら笑う惣吾の横顔を今でもはっきりと覚えている。
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