第35話攻防戦

 


「ああ、なんだよ」


ヒュドラーを影に引き込んでる最中なのに・・・

スマホが騒がしく鳴りやがった。


「なんですか!戦ってる最中に」


あ、スピーカモードに強制的にされて、耳から離すしかない。


「韓国の国境で大規模な防御戦があった。弾薬が減ったために新たに送っているが、君の黒魔法のコーティングがまだなんだ」


「それって国境へ行って、黒魔法のコーティングをしろって意味ですか・・・」


「早い話がそうだ」


「分かりました。行きますよ」


ちょうどヒュドラーが影に引き込まて終わっている。


「ゴー、聞いた通りだ。ゴーはどうする・・・」


なんか、ここで戦いたいと・・・


「そうか・・・じゅあ行ってくる」


そう言い残して影に入る。




影から出た先は、国境の壁だ。


「師匠!師匠!!」と俺を呼ぶのはリンリンだ。


「なんで居るんだ」


「砲弾や銃弾を日本から運んで来たのが私なんです」


ああ、成る程。

船や飛行機で運ぶより速くて、安全なリンリンを使ったわけだ。


「その弾薬は何処に・・・・・・」


「こっちです」


案内されるまま後をついて行った。


大量な弾薬が・・・積み重ねられている。


初めての黒魔法でのコーティングは、1つ1つの流れ作業で長時間も働き続けるハメに・・・

だからゴネテ、作業放棄まで考えたよ。


そこで閃いた!。

影に全て入れてイメージすれば出来るかも・・・


やって見たら呆気なく出来た。



だから積み重ねられ砲弾や銃弾を影に引き込む。

そしてイメージする。


銃弾の先頭部分のみコーティングする。

全てコーティングするとライフリングが傷つくから、先端でもいい威力は発揮する。


砲弾も同じく先端だけのコーティングだ。

当たった瞬間に信管しんかんという起爆装置によって炸薬が点火され爆発する。

地上に出たモンスターは、皮膚が非常に硬い。


しかし、黒くコーティングした先端が皮膚を突き破って、爆発して大きなダメージをモンスター与える。

内部の体は普通だから・・・



あ、コーティングが終わったぞ。

だから影から押出す。


「コーティングは、終わりましたか・・・」


「師匠、この方が物品管理の方です」


「三崎です」


「ああ、コーティングは終わたよ」


何人もの人がケースを開けて確認してるぞ。

そして書類にチェックしている。


「師匠、気にしたらダメですよ」


「それでリンリンも順調にやってるのか・・・」


「はい、1週間前には台湾に戻って、親孝行をしました」


「そうなんだ・・・」


ああ、俺なんか3ヶ月も親に会ってない。



あ!警報が鳴ってる。


「リンリン行くぞ!」


「はい」


壁の階段を上って見た先には、ホワイトタイガーが100頭以上が走りって来ている。

白に黒いシマが目立っているぞ。


あっちこっちで銃声が・・・


当たって死んだホワイトタイガーが数頭だ。

俊敏なホワイトタイガーのようで、上手くかわしている。



「もっと狙って撃て!」


ああ、指揮官が怒ってるぞ。


俺がコーティングした弾を無駄撃つなよ。


リンリンは、拘束が終了して真っ黒なタイガーを呼び出している。


「奴らを倒して!」


凄い勢いでホワイトタイガーの影に入って、戸惑うホワイトタイガーの腹を喰らいついた。

なす術もなくやられぱなして死んだぞ。


あんな方法の戦いもありかも・・・



手強い相手だと思い集中する。

そして広範囲に影拘束を発動して、全てのホワイトタイガーの拘束を成し遂げる。


え!拘束したホワイトタイガーを撃ちやがった。


4頭、5頭と銃弾に当たって死んでゆく。


「なにしやがる!拘束したのが分からないのか!邪魔するな・・・」


結局、仲間になったタイガーは74頭。




指揮官が来て「申し訳ない」と何度も謝っていた。


「師匠、機嫌を直して・・・」


「今後、気をつけてくださいね・・・リンリン、俺行くから・・・」


影に入って帰った。

なんか急に腹が立ったのは、自分自身でも分からん。


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