第18話ゴー、強くなる



「ここが東富士演習場か・・・」


「約8,800ヘクタールで、2市1町の区域面積の約2割に及んでいるのよ」


そんな説明を聞いてもね・・・広い演習場だってことは分かったよ。

それに立入り禁止で、北富士は「立入日」があって、一般の人でも車やバイクでも入場可能らしいよ。

それを聞いて来る気にはならないよ・・・暇もないからね。



あ、あっちからヘリが飛んできたよ。

降りて来たのは、大西誠と青井静香。


なんでか書類が俺の手にあって顔を見た。


大西誠 20歳


出身地:長野県


雷魔法で数々のモンスターを倒したらしい。


え!顔写真と本人、全然違うよ。

写真に修整したようなヶ所も・・・気にしてるんだ。



青井静香 35歳


出身地:長野県


土魔法で防御も完璧で下から石のヤリが飛び出すって・・・



え!こっちも顔が違う。

めちゃ若く見えて美容整形したに違いない。

金を出して何をやってんだか・・・



あ、3機のヘリだ。

魔法使い4人が降りて来た。


向こうのヘリから軍人さんが降りて来たぞ。


「こんどゴルフでも行きましょう」


「そうですね」


ああ、ゴルフ接待か・・・


高橋主任が緊張しなが話しだしたぞ。


「Aランクで新たに発見された魔石です。これには重力を操る能力があると考えられています。これを使ってドラゴン退治ができる可能性があります」


「それは本当かね・・・ここまで来てダメだったら分かるね・・・」


なんだよ無茶なプレッシャーを・・・

こんな上司嫌だに出てきそうなおっさんだ。



戦車を取囲む11人の女性の手には、あの魔石があった。


マイク向かって「戦車を浮かせるのよ」


なんと戦車が10メートル上空に浮いているぞ。

更に動いて100メートルまで浮いた。


軍人や魔法使いがざわざわと騒ぐ声が・・・


「空を飛ばすとは・・・あれなら近づいて戦えるぞ」


「嫌、ドラゴンを捕まえて地上へ突き落とせば、どうにでもなるハズだ」


「それは良い案ですな」


あのおっさん、電話して何度もお辞儀してるぞ。

俺も大人になったら、ああなるのか・・・



あ!1人の魔法使いが走りだして女性から魔石を奪った。


「これがあれば空へ飛べるのか!」


女性から「あ!こっち側に負担が・・・誰か助けて」


女性達も1時間の練習しかしてない。

経験があれば何とかなったのに・・・


1人がパニックになって広がりだしたぞ。

あああ、あれではダメだ。


バランスを崩して戦車が傾くと制御が・・・呆気なく落下してきた。

これって死者がでるぞ。


とっさに影拘束を発動。


4メートルで掴んでグググッグと3メートルで持ちこたえた。

なんとか落下事故を防いだよ。


「あれはなんだ!!」


「あの黒いものが戦車を受けたぞ・・・君も見たハズだ」


あれ!俺の影拘束を話してないんだ。

なんでか分からないが・・・


あ、急な落下事故で電流が流れ込んだように閃いた。


「あの魔石をゴーに使っていいですか!」


高橋「何を言ってるの・・・」


おっさん「君!魔石を勝手に使うことは許さん」


「あの方法よりドラゴン退治を確実に倒せる方法があると言えば」


おっさん「なんだと・・・その言葉に偽りないと言い切るのか・・・」


「あの魔石も俺が倒してドロップした魔石です。ダメなら又戦って取ってきますよ」


おっさん「高橋!それは本当なのか・・・」


高橋「はい、本当です」


おっさん「その自信を信じてみよう。この国の未来を若い君に任せよ・・・やってみろ」



「いでよゴー」


影から巨大なゴーが這い出す。


魔石を持っていた女性は、魔石を投げ捨てて逃げた。

中には濡らした女性も・・・

だって音がダダダもれだよ。


下が濡れていて、魔石を拾うのも大変だったよ。


そのゴーの影に魔石を投げ入れる。

これで魔石を吸収してパワーアップしているハズだ。


俺がパワーアップしろと念じた。


11個を吸収して大きくなったかも・・・


「飛びたてゴー」


ゴーは、浮いて上空へ飛んだ。

今は空で旋回してる。


「あのゴーならドラゴンでも勝てますよ」


おっさん「なぜだ・・・なぜ知っているように勝てると言い切れる」


「考えてみてください。12個の魔石の力を手に入れたなら、勝てるに決まってます。こっちも色々な作戦を思いついたので仕留めてみせます」


「勇気づけられる言葉だな・・・空飛ぶドラゴンに対して空飛ぶゴーレムか・・・」


高橋主任にコソコソ相談した。

快くOKをもらえて、スマホで電話してOKサインを・・・


「ゴー!あそこに降りろ・・・」


演習場の砲弾が撃ち込まれる場所へ「ドン」と降り立つ。

めちゃデカイから外れることはない。


「今からゴーの凄さを見せます。高橋主任、お願いします」


スマホに「いつでもOKです」

それはゴーが降り立った場所へミサイルを撃ち込む合図でもあった。


西の空からミサイル10発が飛んできた。


誰もが命中して爆発すると思っていた。



ミサイル10発が炎を噴出しながら空中で停止していた。

そのミサイルの燃料も尽きて消えても、空中で停止したままだった。


「ゴー、爆発しないように地面にゆっくりだ」


地面にミサイルがゆっくりと降ろされた。


「あれは、どういう・・・ことだ」


「重力の力をコントロールしてミサイルを止めただけです」


「ならドラゴンも止められるのか・・・」


「やってみないと分かりませんが、やってみる価値はあります」


「それ以外にもあるのかね・・・」


「あります」


「なら色々聞かせて欲しいな・・・」


その後、2時間も説明したよ。


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