第4話影法師



休憩時間にリュックサックから、お茶のペットボトルを取って飲み干した。


「ゴクゴクゴク、めちゃうまい」


それ程に喉が渇いていて飲み足らない。

もっと買っておくべきだったよ。


それに、こんなに走ったのは始めてだ。


そんな風に思いながらシャケのおにぎりを食う。

ああ、このおにぎりも美味い。


梅のおにぎりを食べた。


倒したオークの所へ・・・やっぱ魔石あった。

4個で8万円だ。


その魔石をリュックサックに入れて、スミに置いた。

ちょっとでも身軽になりたかったのが本音だ。


ああ、バトルメイスは何処だ・・・あった。

これもスミに・・・



ああ、いよいよ始まる。



60分表示が現れた。


あっちにも向こうにもオークが出現したぞ。

まったく同じだ。



影拘束を発動。


オーク1体の影かれ黒い物がまとわりつく。


ブラックショットを放つ。

手が拘束されてるから目に命中。

オーク1体を殺したぜ。


近くまで来たオークに影拘束を発動。


2メートル前で拘束されたぞ。

そして走って爪を腹に突き刺して、えぐりながら斬る。


やっぱ口を突き刺した感覚で斬れると思ったぜ。


残り8体だ。

その8体が近づいてきたぞ。


ここは逃げだ!



距離をとって1番近いオークに影拘束を発動。

動きがぎこちなくなったので、回転しながら爪で斬り裂く。


これで残り7体だ。



またも走って逃げる。


そして振り返る。


え!7体のオークが円状に陣形を・・・


またも知恵を絞り出したようだぞ。


どうにでもなれ!オークに影拘束を発動。

あ!仲間のオークが影から伸びる黒い物を掴んで引張った。


「させるか!」


ブラックショットを放つ。


掴んでいたオークの目に命中。


これで残り6体。


更にブラックショットを放つ。

オーク1体が崩れるように倒れた。


残り5体。


4体が後退して逃げた。


そのスキに拘束されているオークを爪で突き裂いた。


「ブヒー」と断末魔の叫びが響いた。


残り4体のオークを見た。



この空間の中央で2体が抱き合ったぞ。

え!それって何・・・


なんと合体したぞ。

身長が3メートルまで成長してしまった。


そんなのありか!


残りの2体も空いた中央に移動して抱き合った。

その下には、魔方陣が書かれていた。


合体するより早く影拘束を発動して、2体を引き剥がした。


大きなオークは、助けることを選ばなかった。

俺に向かって走って来た。


影拘束は、2体のオークに使ってるから大きなオークには使えない。

熟練度が足らないみたいだ。


ブラックショットを放つ。


なんと握り潰された。


俺は、逃げた。



もう必死に逃げる。


残り時間10分。


『影拘束の条件をクリアしました。影法師を使えます』



第3位階魔法の影法師だと急に閃いた。


色々な知識が脳内に入ってくる。


中央のオーク2体を10分も拘束し続けて、影に引き込んだらしい。

そのオーク2体が影法師の素材になるらしい。


迷わず選択した。


中央にオーク2体の黒い姿があった。


「そこで抱き合え!」


2体は抱き合って、大きな黒いオーク1体に成長。


「あいつと戦え!」


やっと気づいた大きなオーク。


俺は、影分身に向かって走る。


そして影法師の後ろへ隠れる。


黒いオークとオークが戦いだした。

おおお、パンチの応酬が凄いぞ。


風を切る音が・・・


「バン」と腹にあった。


「バチン」とフックが・・・


俺は離れた位置から狙ってブラックショットを放つ。

オークの目に命中。


ダラダラと目から血を流す。

一瞬、俺を見て戦いを・・・


そんなに血を流しても戦い続けてるオーク。


「しぶとい奴だ」


残った目にブラックショットを放つ。


命中したぞ。

これで勝負は決まった。


どこに敵がいるのかも分からない。


だからボコボコにボコられる。

膝をついた瞬間にテンプルを打ち抜かれる。


これが致命傷になって死んだ。


え!影分身もレベルアップしたぞ。


俺もレベルアップした。



綾野安信あやのやすのぶ


Lv4


HP40

MP80


黒魔法『第4位階魔法』



なんか影分身がレベルアップしたことで、条件を満たしたようだ。

第3位階魔法から第4位階魔法へ上がってた。


影に何でも入れたり出したり出来るみたいだ。

アイテムボックスみたにな感じだ。


魔石を回収した時に魔方陣が光って、元の場所へ戻った。




地上の戻った時に大変なことになっていた。


俺は、1月5日と思っていたのに違ってた。

今日は、1月14日でタイムスリップしていたよ。


つまりダンジョンで行方不明者になっていた。

後1日で死亡扱いに・・・


親には泣かれて、ダンジョン管理局から取調べを受けたよ。


あの隠し部屋の仕掛けはあったが、転送される罠はなかった。

そんな事実を知らされも、俺は全然悪くないよ。


ダンジョン管理局の見解は、隠し部屋に充満した二酸化炭素で中毒を起こし昏睡状態になった。

そして目覚めて地上に戻ってきた。


そんなバカな・・・



そして学校も自主退学を早くも母が出していた。

学校からの要望だったらしい。


これで晴れて冒険三昧だ。


ああ、世の中でタイムスリップした覚醒者として、有名になっていた。

ダンジョン管理局から情報が洩れたに違いない。


ネットで笑い者になっていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る