第2章14話「仮面戦士vs親衛隊第4位」
流河は雑用をいつも通りしていた。
だが、何かいつもと様子が違う。
「あれ、どう思う?」
「あからさまだよな……」
そういった声が上がる。
おそらく、噂にしているのはあのヒーローの事だろう。
仮面戦士メテオール。
そう大翔が名付けたヒーローは積極的に活動し始めた。
困っている人たちがいれば、積極的に動いた。
また娯楽を増やした。
テレビを設置し、仮面ヘッダーのテレビや映画を放送していたり。
やはり少しやりすぎだっただろうか。
ヒーローという肩書を使ったせいか、目立つという意味ではかなりの成功だ。
見てもらいもせず、ない物として扱われるよりも幾分もましだ。
興味を持ってくれるだけありがたい話だと思う。
でも本当はもっと言ってやりたい。
大翔は皆の為に頑張っているのだと。皆が避難するときにスムーズに行えるように頑張っているのに。
強く言えないことが心苦しかった。
雑用がてら、避難民の話し声に耳を澄ましているとやはり疑念の方が大きい。
助かってはいるが、信じられないと。
困りごとを解決してもらってはいるらしい。
でも第一印象が悪かったのだろうか、やや負の感情が大きい。
というより信じようが、信じまいがあまり変わらないということが大きいだろう。
避難誘導をいくらしたところで、そしていくら困りごとを解決したって、その先にある未来が良くはならない。
勉強するのは、将来を豊かにするため。
働くのは、今将来の暮らしを良くするため。
悪いことをしないのは、それが自分に返ってきたり、それによって苦しむ人がいるから。
そういったことが今ない。
勉強しようが将来が豊かになるわけでもなく
働いても、裕福になることもなく、悪いことをしようがいいことがしようが死は誰にでも訪れるし、それが当たり前のように行われている。
その根本的な問題は解決していない。
「あれで信じてほしいって言われてもな……」
「あ、あの!!」
そう流河は話しかけてしまった。
皆の目が流河に向けられる。
「あのヒーロー、俺の弟なんですよ。弟が元気づける為に考えたことなんです」
「あぁ、想像の弟か」
「何で信じてくれないんですか!!?」
「だって信じられないだろ。行くときも帰るときも、毎回笑顔で玄関まで来る弟なんだろ?」
「確かに。それでお前は普通の人間なんだろ? 昔あったな。普通の人間と能力を持った兄弟の話。そのまんまじゃないか」
「写真見せたのに!? それだったら皆の荷物を背負って体が筋肉痛になったりしませんよ!!」
「お前が罰ゲームやろってって言い出しっぺだろ」
罰ゲームにで荷物持ちを誰かひとりに任せる、といった流河が全員分の荷物を持って走り回ったのだ。
筋肉が悲鳴を上げられている中、皆に触られて辱めを受けた。
あれから罰ゲームは何度か行われていることになり、流河は二度と辱めを受けないと毎日筋トレを頑張る様になったのもあの日だ。
「とにかく!! 弟が考えたことなんです。俺の大事な弟が皆の為に考えたことなんです」
そういうと、皆の目が変わった。
それは大翔をそして流河を査定するような目だった。
「あいつだって大変で色々抱え込んでいるはずなのに、俺に会うとアピールしたかとか、何か手伝うことがあるかって聞いてくる奴なんです」
「そんな弟が考えたことなんです。俺が出来ることなら何でもします。お願いです、信じてください」
「……じゃあ、あの中身は地球に住んでいた子供ってことか?」
「はい。こんな状況でも皆の為に頑張ってくれる自慢の弟です」
「そうか。じゃあ害意はないか」
そういって皆納得してくれたみたいだ。
作業に戻った。皆黙々と作業に集中し、誰も大翔の事に言わなかった。
流河はほっと息を吐く。
皆が信じてくれてよかった。心の懐がある人達で助かった。
そんな彼らでもやはり不満はあるのだから、他の人も皆不満や不信感を募らせているはずだ。
流河も出来ることをしよう。
出来ることは小さいことしかないが、でもできることが沢山ある。
流河はそう決意を胸に顔を前に上げた。
そこには悪魔がいた。
「は?」
この感じは覚えている。
そのオーラはモレクと同じで。
でも魔人の人には感じられない邪悪なオーラ。
でもモレクとは非にならないほどのオーラだ。
「逃げろ!!」
そう叫んだ瞬間、悪魔に光が襲った。
大きな音と共に光魔法の音が聞こえる。
皆声を上げた。突然この場が戦場になったのだ。
「下がれ!!」
近くにいた騎士と闘士が、悪魔に立ち向かおうとした。
防御魔法で展開して一撃大きなものを食らわせようと悪魔に近づく。
でもそれは叶わなかった。
足を切られて、腕を切られた。
血が溢れだし、その血は流河にかかった。
一瞬だった。
大きな叫び声が上がる。それは戦った騎士や闘士だけでもなく、さっきまで話していた仕事仲間にもだ。
何も動けなかった。
助けられない。
一度切りかかったものを助ければ仲間だとそう思われるかもしれないから。
「親衛隊第4位プルプラス」
プルプラスという名前の悪魔がこちらに向く。
大きな警報音が街中に響き渡った。
何をすればいい。
この状況で流河が出来ることは。
だが考えなど思いつく暇などなく、プルプラスの手が伸びる。
モレクの手と同じような手。
「ひ……」
怖くて、腰が抜けてしまった。
何とか後ずさりするもプルプラスの手が迫ってきている。
「させない!!」
そういってプルプラスの身体が光に照らされる。
光魔法だ。
一人のヒーローが流河の目の前に現れた。
まただ。また助けられた。
「大翔……」
大翔は魔剣を背負い、プルプラスに対峙しようとしていた。
また同じような状況だ。
大翔に助けられて、流河は腰を抜かして。
「流河君、大丈夫か?」
パケットが来た。
パケットは流河の近くに寄ってくれた。その力強さに心は落ち着きを取り戻していった。
流河は何とか体を立たせる。それくらいしか出来なかった。
「パケットさん。皆を頼みます」
「……うん。任せて」
大翔は前を向いてプルプラスに目を向ける。
周りには大翔以外戦おうとする人がいない。
他に誰かいないのだろうか。
「貴方は……親衛隊4位の?」
「おまえこそだれだ」
そこで改めて相手の情報に驚きがもう一度出てしまった。
親衛隊4位。つまり上から五番目だ。
そんな相手に大翔は戦うのだ。
それに大翔が一人で対峙している。大丈夫なのか。
「なんだその格好は?」
そうだ。
大翔は仮面戦士のヒーロースーツで来たのだ。
顔はフルフェイスのヘルメットを着けている。この魔法の世界で、ヘルメットなど視界の妨げにしかならないものをつけているのだ。
プルプラスは怪訝そうな顔をする。
「これを見てそう思う?」
そうして大翔は後ろにあった魔剣を抜いた。
プルプラスは怪訝そうな顔から一気に興味を持った顔に変わる。
「それは……まさか魔剣だとでもいうのか?……お前、一体なんなんだ?」
「仮面戦士メテオールだ」
「ふざけているな、お前」
プルプラスはそう笑った。
余裕のある笑みだ。
強者だから、心に余裕が出来ているからの笑みだ。
「何でこんなところに一人で来たんですか」
「また、襲撃する」
その声に流河は衝撃で驚きの声すら出なかった。
襲撃。またここは戦場になる。
一生懸命働いて生活基盤を整えて、更に良くしたのに。
それを全て破壊されるのだ。
「どうせこれからお前たちは死ぬ。あぁ、どうやらジソウホウ? ダンドウミサイル? 使わないらしい。汚染がどうたら、こんな状況でジソウホウを使っても」汚染がどうたら、こんな状況でそんなこと使っても戦果にならないから、用意すらしない方向性だ」
そう、ぺらぺらと相手の事情を話す。
本来なら話していい情報ではない。いい情報ではないのだが。
「……」
「でもそれでもお前たちの戦力をはるかに勝っている。俺も戦うだろうが、万全の状態じゃないお前らと戦うことになる。連戦で疲労したお前らと戦っても面白くない」
「それで一人で来たんですか?」
「15年間暇だったんだ。今のうちに万全の状態で戦えってみたいなって、遊びに来たんだ」
そういってプルプラスは剣を構えた。
「ならお望み通り遊んであげますよ」
「いい態度だな!!」
大翔も同じく剣を構えた。
そして二人は剣を交えた。
戦いが始まった。
流河が何も出来ない戦いが。
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警報が鳴り、直ぐに飛べる大翔とパケットが担当することになった。
ジェイド達大人が他の民間人の避難を進める。
大翔とパケットは空間移動魔法で悪魔の所に行こうと空間移動魔法を展開している途中にどうするか決めた。
「パケットさんの方が魔法の出力が高い。僕が前に出ます」
「駄目だ!! 相手の戦力が分からない。それにもし魔石があったら……」
「兄貴がいるんです。民間人を、兄貴をお願いします」
それを言われてパケットは詰まってしまった。
大翔の自衛力は高いのだが、周りを守るほどの出力をまだ大翔は持っていない。
「……大丈夫なんだね?」
「大丈夫です。今僕は仮面戦士なんですから」
そういって、大翔は空間移動魔法でプルプラスと接敵した。
二人は剣を構えてそして剣を交えた。
何度も何度も切りかかって、お互い準備運動を始めるがごとく剣を交わらせた。
「パケットさん!!」
そういってパケットに並び、流河は大翔とプルプラスの戦いを見始めた。
流河の目は不安そうな目で、大翔を見ている。
他の騎士や自衛隊の人達が避難を進めている。
パケットはしんがりとそして大翔が何かあったときに対応できる位置にいる。
「大翔は大丈夫なんです!?」
「まだ分からない。変に攻撃してこっちに向いてきたら、それこそ大翔君の邪魔になる」
「……くそ、大翔……」
どうしようもないことを理解したのか流河はパケットと同じようにしていた。
どうか無事を。そう願ってみることしかできなかった。
プルプラスは光魔法で乱雑に撃ち始めた。
パケットは防御魔法の準備をしようとした。
だが大翔は手に付けていた剣を手放し、相手の攻撃を防いだ。
魔剣を身体魔力で結んで、魔剣を動かしたのだ。
「まさか、ヒーローとして……」
この場まで利用するというのか。
大翔は魔剣を持っていないのに関わらず突っ込んでいった。
プルプラスに大翔の状態が知らないとは言え、はったりが過ぎないか。
心がぎゅっと引き締まる。戦いを刷る以上に緊張が止まらない。
大翔は全速力でプルプラスの元に突っ込む。
そしてプルプラスの前に来た瞬間、両手で風魔法を作った。
二人の前に風が出来て、再び距離を置く。
プルプラスは風で飛ばされないように腕を胸の近くに置き、抵抗を少なくする。
大翔は後ろに下がり、そして魔剣を手に入れた。
大翔は再び全速力で一歩踏み出す。
だがそれは空中移動魔法によって更に加速を手に入れた。
その想定外の加速にプルプラスは防御魔法を展開する。
大翔だって加速して、反応が難しいはずだ。
だが防御魔法で防げていないところを大翔は切った。
大翔は炎を剣にまとって攻撃する。
だが出力は相手が上で大翔は上に飛ばされた。
大翔は空中移動魔法で素早く斜めに降りて、着地を完璧に行い、足と空中移動魔法ですぐさま加速できるように調整した。
「いいぞ、いいなお前!!」
プルプラスがそう叫ぶ。
「流河君は攻撃が見える?」
「……ただ剣と剣の唾競り合いが起きているとしか。どうなんですか?」
「本当にすごいよ、大翔君は」
最初に出た言葉がそれだった。
強い。
プルプラスに対して常に攻撃を行なえている。
プルプラスが防戦一方だった。
それもそのはず大翔が珍しい戦い方だからだ。
地上を空中移動魔法で飛んでいる。
足に体重をかけていない。
足がつかなくても身体魔力とその推進力で十分に威力はあった。
後ろに吹き飛ばされても、カーブして体勢を常にプルプラスに向け、襲ってくる光魔法に体を合わせて回避した。
空中移動魔法で手に入れた機動性によって相手の横や後ろを常に取ろうとする。
まるで氷を自由に滑っているかのように、大翔は移動し続けた。
縦に剣を振り、足に地に着いた瞬間プルプラスの横に抜けた。
剣を滑らせたことですぐさま腹に切りつける。
プルプラスは対応できなかった。
直ぐに反撃するも剣ではじかれまた大翔に後ろを取られる。
剣の打ち合いには勝てている。
だが
「威力が……」
空中移動魔法に魔剣を使っているからか、攻撃力がない。
嫌、おそらく魔剣の魔力で攻撃してもプルプラスには届かないだろう。
だから大翔は時間稼ぎに徹している。
避難は着実に進んでいる。
パケット達も少しづつ後ろに下がっていっている。
避難が完了すれば、パケットも加勢できる。
大翔はプルプラスの足に泥沼を作った。
プルプラスは機動力を失う。対して空中移動魔法で飛んでいる大翔には泥沼の効果がない。
大翔はプルプラスを更に泥沼に押し込むように剣を縦に振った。
プルプラスは空中移動魔法で無理やり沼から足を引きずりだしたが、速度は遅くなってしまった。
大翔は剣で相手の剣を抑え、足で相手を押し出す。
大翔は瞬間移動魔法で地面に降り、次に地面に氷を張った。
プルプラスは着地して地面を滑ることで、体勢を整え距離を整えることで大翔に迎撃しようとしていたのだろう。
想定以上の滑りに、プルプラスの体の重心が少しずれた。大翔の光魔法がプルプラスの頬をかすめる。
パケットはその戦い方に思わず驚いてしまったのだろう、流河が心配そうな顔をした。
「大丈夫なんですか?」
「嫌、ただ異質だと」
「確かに大翔は空中移動魔法で戦っていますけど……そんな変なんですか」
「空中移動魔法は僕たちも使っているよ。それでも大翔君の戦い方は異質だけど。ただ大翔君は土魔法や氷魔法で足場をくずしている」
「それって何が変なんです?」
「そうだね。魔力量の多い人は基本同じ魔法しか使わない」
「それってなんで……」
ちょうどプルプラスは空間断裂魔法を使った。
大翔は魔剣で防ぐも、勢いを殺せず後ろに飛ばされた。
「僕たちは7つの属性を全て使える。そして魔法の属性には相性がある。例えば炎の上級魔法でも初級の水魔法を使えば、かなり威力を減衰させることが出来るんだ」
「それで……相性を消されにくい断裂魔法でしか攻撃しないってことですか」
「そう。戦いにおいて必要なのは速度と威力だから」
大翔は魔剣で受け止め、威力を後ろに下がることによって相殺したのだろうか。
それでも少し体勢が悪くなったのか、光魔法でけん制する。
光魔法は遠距離でほとんど使われる魔法だ。
魔力を熱で高温化したものを発射させる。
速度は魔法の中で1,2を争うほどの速度と、そして威力も担保できる。
光魔法はほとんどの魔法使いが使う。
威力と速度があることと、そして何よりそれは強く光ることだ。
大翔が放った光魔法はプルプラスに防御されるが、光魔法の中に一つだけ違うものがあった。
そしてその光は大きくなって、プルプラスは思わず目を防いでしまった。
視認は探知魔法がある中でもかなり大事だ。
光魔法は目に魔力障壁を使って軽減でき、回復魔法を当てれば回復することが出来るが、明るすぎると周りが見れなくなる。
視認は残留子を視認することが出来たとしても空間移動魔法がある限り、何処からでも撃つことが出来るし、方向だけを変えることが出来る。
視認が出来ない状態はかなり危険なのだ。
プルプラスは瞬間移動魔法でその場に離れた。
そして直ぐに防御魔法を放った。
大翔が爆発魔法を放つ。爆発魔法はプルプラスの防御魔法を破ることは出来ないものも、プルプラスを完全に止めることが出来た。
大翔は速度を失ったプルプラスに一気に近づく。
プルプラスは上に飛んで空中移動魔法で光魔法を放ちつつ、近づいて再び空間断裂魔法を使った。
大翔は剣に断裂魔法を纏わせる。
火、水、風、雷、土、そして陽。
それは白く輝き、ありとあらゆるものを切ることが出来る魔法と言われている。
大翔とプルプラスは交えた。大きな衝撃がこちらまで届く。
「だから魔力量の多い人は、断裂魔法か空間断裂魔法、そして光魔法と爆発魔法。防御魔法。空中移動魔法、空間移動魔法、瞬間移動魔法。魔力量が多い人はそれらを組み合わせて戦う。それが一番強くなるのに近道だから」
そう、過去には得意な系統を伸ばす魔法使いがいた。
神級だという魔法もその魔法使いが作ったらしい。
ただパケットにいる世界には空間移動魔法と瞬間移動魔法があった。
どれだけ威力のある魔法だろうが、それだけの魔法を使おうとすれば、必ず残留子によって存在がばれる。
そしてそれだけのもの努力して撃てるようにするにはためが必要だ。
魔力を手に集める必要がある以上隙が出来る。
何かを突出して伸ばす魔法使いは昔はいたが、今はほとんど全滅した。
相殺することでしか使えない魔法。
確実にダメージを担保できる空間断裂魔法の方が使い勝手がいいのだ。
変にいろいろな魔法を覚えるより、使う魔法を厳選したほうがその分訓練の時間は増えるし、戦いの際に脳の容量が圧迫しなくてすむ。
大翔はプルプラスに向かって飛んだ。
低空中移動魔法で向かっている時、剣に地面に触れさせる。
腕からの魔法が剣を伝って、地面に魔法を撃つことで泥沼を作り出した。
プルプラスの足が止まる。
大翔は初級魔法や上級魔法を使って相手を追い詰めている。
その戦い方はまさに異質だった。
本当にすごい。
剣での攻撃で相手に後れを取っていなかった。
相手が接近した時に光魔法で受け続けるか、近距離戦に持ち込んで剣で受け止めるか。
その判断を間違えない。そう、判断を間違えないのだ。
プルプラスも大翔も負傷していない。でもプルプラスはただ魔力量で補っているので
判断を間違えているから大翔の攻撃事態は何度も食らっているのだ。
だが大翔は間違えない。けん制、受け流し、隙、攻めの引き際。
それらをずっと大翔は正解を引き続けている。
力推し以外では特に負けている要素はなかった。
もしだ。パケットと大翔が戦うなら。
訓練ならわからない。魔力量で押し切れるかもしれない。
でも殺し合いならどうなるだろうか。
大翔を殺せるというイメージが、心情的にも、そして理性的にもパケットの中で思いつかなかった。
「パケット!! もういいぞ!!」
そう声が聞こえる。
避難が進んだ。
これ以上はここにいられない。
「さあ、行こう」
「……はい!!」
そういって流河は走りだした。
やるべきことをちゃんと把握している。
これで敵が来たらばててしまうかもしれないのに。
本当に大翔が心配なのだろう。
パケットも後ろに下がる。
どうか、無事を。
パケットは大人だ。
だが今は大翔の無事を祈ることしかできなかった。
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