『ブキミッシュ』 2の5


 『いや、そうではありません。どこにおいても、こんなことは、やらないでください。なのです。ダレ・モン・ソーダ星人は、うそを言っています。彼らの重力波通信を受信、まあ、傍受、しました。え、多少、波長を会わせるのに手こずりましたが、……また、会話を解読するのにも。つまり、彼らは、地球をよく知っていました。通信を利用して、地球言語の訓練もしていました。そこから、翻訳が可能になりました。彼らは、初めから地球を占領するつもりでやってきたのです。言葉は、わかれば、簡単でした。まあ、ただし、大多数は、知らなかったのかも。』


 『ふうん。なるほど。なるほど。そこらあたりは、明らかに、気の緩みであったろうな。君のような人類がいたとは思いもしなかったのだろうしな。しかし、地球人類は、太刀打ちできなかったことには違いがない。』


 『だから、あたまから、そんなことするな。と、言っています。力があるからといって、外の星に、侵略なんかするな。と。それでは、地球人類と同じだと。』


 『豪速球だな。まっすぐだ。きみの言うことは、正しいが、ダレモンソーダや、オオムカムカには、意味がわからないのだよ。きみにはわかってもな。連中には、それが分かる概念がないのだ。悲しいことにな。』


 『あなたは、解るのですね。』


 『もちろんだよ。わたしも、侵略などには賛成しない。しかし、連中には、侵略という概念がないのだ。では、連中が、なぜ、わたしに気を遣うかというと、わたしは、彼らを一瞬にして壊滅できるからだ。いや。できると、信じているからだ。』


 『できるのですか?』


 『正直、できる。しかし、もし、そんなことしたら、きみが言う、侵略になるだろう。』


 『それは、そうですが、つまり、あなたみたいに、やらないことができるわけですよね。彼らも、やらないことができるでしょう。』


 『はははははは。そのとおりだ。きみは間違いなく正しいが、きみが正しいと認めるには、そうだな。つまり、正しくないことを知らなくてはならないのだよ。地球人類は、正しくないことを沢山学んだのだ。しかし、正しい行為は行えなかった。わかるかね? よろしい。きみを、ダレ・モン・ソーダ星人と、オオ・ムカムカ星人のリーダーに会わせてあげよう。じぶんで、やってみたまえ。ただし、食われるかもしれないよ。』


     











 


 


 


 

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