「陽」の光はここにはない

@noritaka1103

第1話

ここは「土の中」で当たり前だが、陽の光は射さない。

基本的にこの世界は一日中「真っ暗闇」だが、地上に近い地点は地上の熱を受け取って「発電」をしているため、少しだけ明るい。


ただ、発電量はお察しの通りちょっとだけなので、お世辞にも「便利」とは言い難い。

下手に電力を使いすぎると「停電」するので適切な利用をしなければ他の人たち(住人)に迷惑を掛けてしまう。


ちなみに、水は地下水、ガスは地中深くの天然ガスを使っているので、枯渇レベルまで至らなければ普通に使える。

というか、陽が射さないので熱がギリギリ届く地上付近以外は基本的に一年中寒いので、天然ガスがないと最悪「凍え死ぬ」危険すらある。


健康面はというと、実のところあまり良くはない。陽の光が射さないのもあるが、栄養のバランスや衛生面がぶっ壊れているので、平均寿命は短い。地上で生活している人々の平均寿命が80歳くらいだとすると、半分の40歳くらいまでしか生きられない。早い人だと20歳を迎える前に何らかの病気に罹って亡くなったりもしている。


食の方も見た目・中身ともにあまりキレイじゃないし、味も美味しくはない。前述した通り、衛生面が良くないので食材が土などで汚れている状態で調理場に置いてあったりするし、小さな虫みたいなモノが付着していることなんてしょっちゅう。

水で洗い流せるものは良いが、水で洗い流せない食べ物の場合はガマンして食べるしかない。(どうしても嫌な場合は残す)


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