条件

条件

災害が起き、近隣住民達は近くの避難所に避難を強いられた。ある男は備えのお陰で、10日分ほどの食料を家から持ってくることが出来た。ダンボールで区切られたスペースで1人安堵していると、通りかかった若い女がダンボールの上から男の食料を覗いて言った。

「そんなに多くの食料があるなんて羨ましいわ。災害の範囲が広すぎて、政府の支援もままならないから酷くお腹が減っているの。2日分くらい寄越してくれてもいいんじゃない？」

男は少し抵抗したが、半ば強引に取られてしまった。

1時間後、彼のスペースには何人もの人が集まっていた。

「食料をくれるのはお前さんか？あっちの女がお前さんに食料を貰ったと言ってたぞ。わしにも分けてくれんか？」と1人が言った。

強引に食料を取っていったと思ったら、飛んだ流言まで流しやがって。という怒りと共に、復讐のアイデアが頭に浮かぶ。そして男は言った。

「食料をあげるのは本当だ。ただし条件がある。若い女だけだ。そして、僕とセックスをしてもらう。もちろん撮影もする。それでいいか？」

詰め寄った人々は諦め、離れていった。遠くで聞いていた女は、顔を真っ赤にして自分のスペースから出られなかった。