世界の終わりを旅する
@kaniebi
第1話
「…ねぇ師匠〜あの人たち、なんで戦ってるの?」
「そうだなぁ…彼らにも守る人が居たんだ。向き合わないといけない現実と、戦えという使命感に追われ、もう止まれない。止まってしまったら…」
「…もし止まっちゃったら?」
「…とりあえずここはダメそうだ。あっちに行ってみよう」
「…うん」
師匠はまたごまかした。きっと言えない事なんだ。
「今日はここで野営しようか。比較的安全そうだし、何より綺麗に星が見える」
「もう疲れた〜」
「そうだね、早めにご飯にしようか」
「うん〜今日もあれ?」
「もっとしっかりしたものがあればいいんだけどね…」
「もう慣れてるから大丈夫〜」
「私は慣れないな…昔は平和だったのにな。」
「平和〜」
「そう…昔はね」
「今はみんな争うし、平和じゃない〜」
「…うん」
平和になったら、どんな感じなんだろう?
「…こんなに地球は荒れているのに、星は綺麗なままだ…」
「お星様キレイ〜」
「…そうだね、この世界ではこれぐらいしか見るものも無いし。」
「あっ!あれ!」
「流れ星だ、珍しい…」
「知ってる!流れ星に向かって願いを言うと叶うって!」
「じゃあ私はー平和になりますように…と」
「えーと、えーとじゃあ師匠と一生一緒に居れますように!」
「なんだい、その願いは。」
「だってー師匠は色々教えてくれるもん」
「そっか…嬉しいね。」
「ふぁあ…眠くなってきたぁ…」
「もう寝ようか。」
「うん〜」
師匠は嬉しそうだった〜一生一緒に居られるかな?
「そろそろ食料を集めないとな…」
「ご飯〜」
「久しぶりにお肉が食べれるかもよ?」
「やった〜」
「…この辺りは争いが激しいね、少し遠出しようか。」
「うん〜」
「…森を抜けたか、銃声も無さそうだ。」
「凄〜い、草がいっぱいだ〜」
「ここなら動物が居るかもしれないね、早めに狩って野営地を探そうか。」
「お〜!」
草がいっぱいで凄かった…前に見たのはいつだったんだろ〜
「よし、今日の野営地はここにしよう。ここならお肉を焼けそうだ。」
「わ〜い」
「今日は久しぶりのお肉だ。焼く分、保存用で分けよう…切り分けてくれるかい?」
「わかった〜…出来たよ〜!」
「早速焼こうか…なかなか難しいな。もっと、良い設備があればいいんだけどね」
「美味しければいい〜」
「ははっ、そうだね」
「おお〜いい色だ〜」
「もうそろそろいいかな。食べていいよ」
「…う~ん美味しい!」
「お肉は久しぶりに食べるな…ただ焼いただけでも、美味しく感じる。」
「…!あれ見て〜今日居た草のとこ〜」
「ここでも争いが始まったか…少し早いけど、火を消した早く寝ようか…」
「うん…」
今日遊んでた草のとこが、燃やされてちゃった…何でなんだろう
世界の終わりを旅する @kaniebi
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