ここがようやくスタートライン



リクは達成感に満ちた気持ちを胸に、ギルドへと足を運んだ。入口をくぐると、受付の女性がリクに気づき、にこやかな笑顔を浮かべて声をかけてきた。


「リクさん、おかえりなさい。今日もクエストをこなしたのですね?」


リクは少し誇らしげにうなずき、ステータスプレートを差し出した。


「ええ、今回はダイアウルフを倒しました。それで…見てください、レベルが5に上がったんです。」


受付の女性は驚きの表情を隠せず、プレートを手に取って確認する。リクが言った通り、ステータスには確かにレベル5の文字が並んでいた。彼女は目を見開き、リクを見つめながら言った。


「本当に、レベル5に…!?リクさん、オーガを倒してから、まだそんなに時間が経っていないのに、もうレベルが上がったんですか?」


その驚きに、リクも少し戸惑ったが、心の中では自分の成長速度に密かな喜びを感じていた。冒険者として、レベルアップには時間がかかるものだ。通常、初心者がレベル5に到達するには数カ月、あるいは数年の努力が必要とされる。そのため、リクのように、数週間でこれほど急速にレベルが上がることは、異常に早いと言える。


(オーガを倒してから、ほんの数日しか経ってないのに…。こんなに早く上がるなんて、俺でも驚いている。)


リクが気づけば、受付の周りにいた他の冒険者たちも話題に耳を傾けていた。


「おい、あの子…本当にレベル5になったのか?つい最近まで初心者だったのに、こんな短期間で?」


「どうやら本当らしい。普通、レベル5になるには、いくつもの難関を越えないと無理だろうに…。それがたったの数日で?」


周囲の冒険者たちの話し声が広まり、リクは次第に注目の的となっていた。恥ずかしさも感じたが、心の中では自分の努力が報われていくのを実感し、嬉しさが込み上げてきた。


受付の女性は少し落ち着きを取り戻し、微笑みながらリクに言った。


「リクさん、このスピードで成長するのは本当にすごいことですよ。この調子なら、もっと難しいクエストにも挑戦できる日も近いかもしれませんね。」


その言葉に、リクは自分でも気づかないうちに胸の奥で新たな決意が芽生えるのを感じた。彼の目標は常に「もっと強くなること」であり、この成長のペースが続けば、いずれ高ランクの魔物に挑み、強さを証明する日が来るだろうと思った。


「ええ、ありがとうございます。でも、まだまだ自分には足りないものが多いですし、もっと強くなりたいです。」


周囲の冒険者たちの視線を感じながら、リクはしっかりとした決意を固めて新たなクエストに挑戦する決心をした。この短期間での成長が、ただの始まりに過ぎないことを彼は確信していた。


(次は、もっと難しい相手を倒して、さらにレベルアップしないと。俺は、もっと強くなるんだ。)


リクは心の中で誓い、次なる戦いに向けて歩みを進めた。



─────


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。






少しでも「続きを読んでもいいかな〜?」と思って頂けた方は、ハートマーク押してから読み進めていただけると助かります、、!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る