【実話】跳ね飛ばされるわたし

もっちゃん(元貴)

九死に一生の出来事

 以下の話は、私が大学生の頃に起きた実際に起きた事故です。



 ある冬の寒い夜、私が大学の講義を終えて、駅からバスに乗って最寄りのバス停に降りた後の出来事でした。


 バス停にある駐輪場から、自転車に乗り信号機のある交差点で、信号待ちをしていました。


 信号機が青になり、左右を確認して、自転車に乗って渡っている時に、真横に車が!!!


 「えっ!」


 キキッーー、ドスン!!



 その音を聴いた時には、私は宙に浮いていた。


 うわぁ!終わったなと、一瞬思いました。


 地面に体が打ち付けられ、道路で3回ぐらい転がって、しばらくは放心状態でした。


 その後、私をはねた軽自動車から40代くらいの女性が、


 「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたので、地面から起き上がりました。


 自分の両手を動かしながら、あれ?生きてる!体も動く!良かったーと思いながら、


 「あっ、ハイ!どうやら大丈夫の様です、ちょっとジャンバーの脇腹のあたりが破れているけど」



 「そう、よかったわ。ごめんなさい。交差点を左折したときに、助手席にいる友達と話していたから前をよく見てなかったの」


 私が元気そうなのを見て、女性の方が、ほっとした表情にかわった。


 自転車は、大丈夫かなとひっくり返った自転車を立たせて、壊れているところがあるか確かめたが、幸運なことにどこも壊れてなかった。



 ふと周りを私が見ると、ちょうど帰宅ラッシュの時間帯もあってか、バス通りの比較的交通量の多い道路なのに、事故のせいで遠くのほうまで渋滞しており、通行の妨げになっていることに気がついたのだった。


 渋滞している運転手たちの苛立ち感がヒシヒシと肌で感じた私は、一刻も早くこの場を立ち去らないといけないなと思い、自転車に乗ろうとする。


 すると、「あの!警察とか救急車はどうしましょうか」と女性から声が聞こえたが、


 「大丈夫です!」と言って、その場を私は立ち去ったのだった。


 交差点から側道に入ると、どこからか、


 「救急車呼ばなくても大丈夫かー?」


 若い男性の声が聞こえてきたが、わたしは、自転車を漕ぎながら、


 「はーい!大丈夫です!」


 手を振りながら振り返るとその場に居合わせたトラックの運転手のようだった。



 その後、家に帰ると母から、ジャンバーが破れてるじゃない!どうしたの?と聞かれたが、事故にあったというと心配するので、ちょっと自転車を漕いでいたら、何かにぶつかってひっくり返ったと嘘をつき通して、今に至っている。


 車とぶつかった脇腹のあたりが事故のあった次の日から、ときどき痛んだりしたけど(今も少し痛む日もある)、病院に行ってないので、よくわかりません。


 私が、怪我をほとんどしなかったのは、当時、綿が入っているモコモコのジャンバーを着ていて、お腹が最初に地面に叩きつけられたので、大丈夫だったのかなと思ってます。(ヘルメットをかぶってなかったので、頭から地面に落ちていたら、ひどいことになっていたかも)



         終



 

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