2024年11月1日 16:55 編集済
私にとってのへの応援コメント
とにかく青かったです。髪色から靴先まで、すべて異なる青色で構成されたコーデを見ているようで、統一感のある作品でした。またアクセントとして一点、桜色が入る部分に、朝田さんの色彩感覚の良さを感じました。全体的におしゃれで、心の踊る物語でした。 朝田さんの日常を切り抜くセンスの鋭さから、夏祭りというありふれた舞台設定が、全く違う色を持って輝いていて、胸が鳴りました。地元の夏祭りだけが、約束をせずに好きな人に偶然巡り合える一点で、若者が「もしかしたら」という希望をもって運ぶ足を、読みながら必死に応援していました。主人公の桜だけでなく、親友の夏実、同級生の西澤くんまで、全員の淡い気持ちを描き切っていて、すべての登場人物にいのちが宿って見えました。 色というテーマは(私も挑戦したことがあるのですが)概念的かつ扱いづらいもので、どこか単調に進んでしまいがちです。しかし今作は落ち着く答えが深く、また読み進めるたびに明らかになるものがあり、最後まで楽しく読むことができました。 特に私が感動したのは、冒頭から続く「桜の好きな色って何色?」という先輩のセリフです。この手の問いは、物語を強引に進めるための、歪なものになることが多い印象(例.掴みどころのない文芸部の先輩が急に聞いてくる等)ですが、今作は違います。最後にそれは、卒業後に靴紐を配るのに聞いたものであることが明らかになるのです。すべての言葉に意味があって、青春を完璧に操る筆はこびが、まさに朝田さんらしく圧巻でした。 登場する全員の恋を応援したくなるとともに、私ももう少しだけ青く生きてみようと思える、素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
返すのが遅くなってしまいすみません、何度も何度もじっくりと、また読むときは返し縫いのように読んでいたもので、、、。素敵で言語化が上手な感想をいただきありがとうございます。一人一人が主観で恋を追いかける様子を描きたかったので、とてもとても嬉しいです。この作品の構想自体は2年前からあり、もう少し深掘りさせたいと思っていました。そのために色彩の入門系の授業をとったときに最後のテーマが決まり、物語の核がより強固になった次第です。私の中でのバレーボールの色は青色だったり、高校の制服が青色だったり、と何かと青にこだわる想いが強く、作品に反映させました。私の青春の色は青色なので、作者としての一人称視点(?)を反映させたら青くなりました。素敵な感想賜り、改めてありがとうございます。最近自信がなくなっていたので、めちゃくちゃ励みになりました。
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私にとってのへの応援コメント
とにかく青かったです。髪色から靴先まで、すべて異なる青色で構成されたコーデを見ているようで、統一感のある作品でした。またアクセントとして一点、桜色が入る部分に、朝田さんの色彩感覚の良さを感じました。全体的におしゃれで、心の踊る物語でした。
朝田さんの日常を切り抜くセンスの鋭さから、夏祭りというありふれた舞台設定が、全く違う色を持って輝いていて、胸が鳴りました。地元の夏祭りだけが、約束をせずに好きな人に偶然巡り合える一点で、若者が「もしかしたら」という希望をもって運ぶ足を、読みながら必死に応援していました。主人公の桜だけでなく、親友の夏実、同級生の西澤くんまで、全員の淡い気持ちを描き切っていて、すべての登場人物にいのちが宿って見えました。
色というテーマは(私も挑戦したことがあるのですが)概念的かつ扱いづらいもので、どこか単調に進んでしまいがちです。しかし今作は落ち着く答えが深く、また読み進めるたびに明らかになるものがあり、最後まで楽しく読むことができました。
特に私が感動したのは、冒頭から続く「桜の好きな色って何色?」という先輩のセリフです。この手の問いは、物語を強引に進めるための、歪なものになることが多い印象(例.掴みどころのない文芸部の先輩が急に聞いてくる等)ですが、今作は違います。最後にそれは、卒業後に靴紐を配るのに聞いたものであることが明らかになるのです。すべての言葉に意味があって、青春を完璧に操る筆はこびが、まさに朝田さんらしく圧巻でした。
登場する全員の恋を応援したくなるとともに、私ももう少しだけ青く生きてみようと思える、素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
返すのが遅くなってしまいすみません、何度も何度もじっくりと、また読むときは返し縫いのように読んでいたもので、、、。
素敵で言語化が上手な感想をいただきありがとうございます。
一人一人が主観で恋を追いかける様子を描きたかったので、とてもとても嬉しいです。この作品の構想自体は2年前からあり、もう少し深掘りさせたいと思っていました。そのために色彩の入門系の授業をとったときに最後のテーマが決まり、物語の核がより強固になった次第です。私の中でのバレーボールの色は青色だったり、高校の制服が青色だったり、と何かと青にこだわる想いが強く、作品に反映させました。私の青春の色は青色なので、作者としての一人称視点(?)を反映させたら青くなりました。
素敵な感想賜り、改めてありがとうございます。最近自信がなくなっていたので、めちゃくちゃ励みになりました。