死に戻りをした元極悪魔女の、三度目の生き方。
いとう縁凛
第一話 一度目の人生
プロローグ
松明を持った青年が、フリッカに近づく。そしてまるでフリッカを安心させるかのように、ふわりと微笑む。
「ノエル・フォレットだ。貴女の名前を教えてもらえるだろうか」
「……フリッカ・サージュ」
「街に魔物がいた関係で、僕が貴女の処刑を執行する。その前に、何か言いたいことはあるかい」
ノエルがフリッカに問う間も、街の人々は極悪魔女を殺せと叫び、いくつも石を投げつけてきた。しかしそのどれもが、ノエルや彼と同じ紋章をつけた部下達が弾いている。
フリッカは、もっとノエルと話していたかった。極悪魔女と言われても、街の人々から守ってくれているノエルと。
「人を殺すという罪を背負わせてしまってごめんなさい。わたしを、処刑してください」
「ノエル・フォレットの名の元に、フリッカ・サージュを火刑とする」
決意の目を見たノエルは、松明の火を草の束へ向ける。ノエルが数歩下がると、ボオッと瞬く間に燃え上がり、炎がフリッカを包む。
(ありがとう、わたしの意思を尊重してくれて。どうか、あなたの未来に幸福がありますように)
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