第18話 ネジの男(の子)

 息子はネジが好きだ。積み木に色々な凸ネジと凹ネジを埋め込んであげたら、毎日一人でネジネジしているし、「電信柱もネジなの?」とか、「あのビルもネジネジしてるの?」とか聞いてきて、かわいいったらない。

 息子に、「何故ネジが好きなんだい」と聞いてみたら「だってネジはやさしいんだもん」と言う。

「凸も凹も、ちゃんとはまるとうれしそう。ちゃんとはまるネジは、何度くっついたりはなれたりしてもこわれない。パパとママの凸ネジと凹ネジがぴったりだったから、何度ケンカしても仲直りする。ボクはママの凹ネジをクルクル回って外に出てきたから、きっと、ボクとパパはおんなじ形の凸ネジなんだ。親子だね」

 私は言葉に詰まった。大筋間違いではないが…

 この間は天体図鑑を見ながら真剣な顔でこんなことを聞いてきた。

「ねえパパ。太陽系って、太陽をどこからか外そうとしてるの?それともはめようとしてるの?」

 息子は天才だ。

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