p29
車道側を歩く勇里さんの横顔を、ずっと見ていたいと思う。
「海果ちゃんっ。」
突然グイっと私の肩を自分の方へと寄せる勇里さん。
私の横を勢いよく自転車が通った。
「んもう!危ないわね。チャリは車道側走りなさいよ。全く。」
あ、そっか。私を守ってくれたんだ。
「ありがとう。」
「いいのよ。そういえば、チャリってヘルメット必要じゃなかった?さっきの人、してなかったのよ。義務じゃないから、やっぱ着用しない人の方が多いわね。」
勇里さんが学生の頃は、ヘルメットなしで大丈夫だったらしいけど、今はヘルメット着用が呼び掛けられてる。
「ねぇヘルメットの他に、なんか変わった事とかってある?」
「そうね〜…あ!2人乗りは注意で済んだのよ。でも今はなんか、注意だけでは済まないんじゃなかった?事故が多いものね…。」
話をしてると、私たちがあまりに年齢が違うことを思い知らされる。
16と27。好きなドラマとかアニメだとか、漫画も音楽も全部が違った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます