瑠璃色硝子な人魚姫への追憶~そこはかとなくガールズラブっぽいあえかな想いを綴る3つの詩

壺中天

瑠璃色硝子な人魚姫への追憶


部屋のに中はPCとオーディオ

積み重なった本に埋もれている


掘り出されているのは数冊の絵本や画集

お気に入りだった女性イラストレーター


ヘッドフォーンを掛け椅子いすもたれた

アルバムから曲とイメージがながれる


おも瓦礫がれきとなった邸の廃墟を彷徨さまよ

陰鬱いんうつなげきのように歌いげられる女声



従姉妹同士いとこどうしであった二人の少女

望まない相続による周囲のいさか

欲にかられた親族達が引き離す


片方かたほう玻璃瑠璃色はりるりいろした

硝子がらすの人魚像のように

繊細で綺麗きれいな心した少女


性格は違っていてもきらいでなかった

口には出せなくったってきだった


優しげな青年とは結婚したはずなのに

だんだん魂をんでいきはかなくなった



すきとおった白いカーテンを風がらし

残された女性は少女のことを追憶ついおくする


いまあなたおらず

私だけのこされたまま


あなたはどこへいった

あなたは何処どこへ…………





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