大地の女神と魔導士エイノルの冒険
東風ふかば
プロローグ
魔導が学問として体系化され始めたのは、今から三百年ほど前のことだ。
遥か昔、ごく稀に不思議な力を操る者が現れた。
その者たちは魔導士や預言者と呼ばれ、社会に変革を齎した。
彼らは国の指導者として、或いは信仰の対象として崇められた。
そして永い時間をかけてその力は薄まりながら、広く拡散し、人々にとってありふれた力の一つとなっていった。
魔導が人社会に広まると、その力は時に人の命を奪う過ちを引き起こすことがあり、人社会にとって大きな問題ともなった。
そのため、より良く能力を活用するために、学問の一つとして修練課程が見直され、ひとつの学問として体系化された。
およそ三百年前、フィルモア帝国に設立された魔道学院において、初等教育修了者を対象に、魔導修練課程が設けられた。
魔導学院は偉大な魔導士を何人も輩出し、帝国の発展に大きく寄与した。
その結果、当時小規模な国家であったフィルモア王国は、僅か百年足らずで大陸の一大勢力にまで発展した。
しかし、急激な拡大は国内外に歪みを生み、やがてフィルモア帝国は魔導大戦という大陸のいくつかの国によって巻き起こされた永きにわたる戦争の時代に踏み込んでゆくこととなった。
魔導大戦は混迷を極め、百年の間戦のなかった年は僅か六年と、まさに暗黒の時代と歴史に記された。
そんな時代を制したのは、一人の偉大な魔導士の力によるものだった。
その者はある日突然現れ、その類稀な力をもって戦を制し、今に伝わる幾つもの預言を残した。
世界に平安を齎す賢人の誕生も、その預言のひとつであった。
注*****
当作品に使用される名称や用語は、現実世界のものとはなんら関係はありません。
ご理解下さいますようお願いします。
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