матрёшка,Петрушка 雪と氷のマトリョーシカ、死に踊るペトルーシュカ
壺中天
第1話 Каменный цветок 石の花
彼女の名前はタチヤーナ・ニコラエヴナ・ドルゴラプチェヴァ。
私がその上長でありはしたが、
私と会う
小柄でもなく大柄でもなくて強く
男女問わずいかなる姿にも為り変われた。
欧米は
世界の情勢は予断を許さず、
休むことなく暗躍し続けた。
はたしてそれがただしかったのかどうか。
もはやいまとなっては分からなくなった。
何もかもすべて
我らは
思想も信仰も
ただ憎悪を
権力と猜疑にとり
我が祖国にて支配の座に就いた。
男の名はピョートル・ヴィッサリオノヴィチ・ジュガシヴィリ。
対立した私は解任されて拘束、
収容施設の爆破炎上。
私達は
軍用の単車製造だったらしい。
細長い工場左側通路の窓際。
漆黒の
それは撃ち落とされた
薄っすらと白く
木枯しの吹き
枯葉を踏む
猫背気味の貧相な姿は、
副官であった
「どうか、逃げてください。
彼女とかかわり合うことは、
あなたのためになりません」
私は亡命をくわだてる、
せめて
けれど………
「命じられる
もう、どれだけ
いまその
ただそれだけの
だから…
ひそりと静かで
やさしい
「死ぬ……死ぬつもりなの」
胸ぐらを
「この
たぶん人の心なんてない。
だから
ただ
ずっと
黒い前髪が垂れかかり、
猫目石の瞳を
「お願い、
生きて人民をたすけて」
歩み去ろうとするその背。
「ターニャ、あんたの
きっと綺麗な孔雀石なんだわ」
私が叫ぶと
ほんの
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