わけのわからない鏡

天川裕司

わけのわからない鏡

タイトル:わけのわからない鏡


「ねぇヒトミ…」

ヒトミ「ん?どしたの?」

「鏡ってさぁ、真実を映し出すものよね?」

ヒトミ「…え?どうしたの急に?」

「笑ってないのに笑ってる顔なんて映らないよね普通?」

ヒトミ「…当たり前じゃない。…え?どしたの??」


「…うん。なんかね私、鏡に変なもの見るようになっちゃったかも…」

ヒトミ「…はぁ?」

「ごめん、ちょっと来て」

ヒトミ「え?ちょ、ちょっと…」


私は真里に連れられて、彼女の自宅の洗面所、

そこにある鏡の前に連れて行かれた。


ヒトミ「ちょっと!一体何だって言うの??」

「これ!…見てよ…」

2人で鏡の前に立ち、その鏡を見た。


ヒトミ「えぇ?別に何もないじゃ…え…?」

鏡を見ると、真里がギラつくような瞳で笑ってる。

バッと真里の方を見た私。


ヒトミ「………」しばらく無言。

真里はさっきと同じように悩ましげな顔をしてる。

一瞬、思いっきり不気味な戦慄が

体の芯を走ったようだ。


ヒトミ「いや、あの…これがなんなん…」

「おかしいでしょ?…これ一体何なの?」

ヒトミ「……え、…でも…」


「ねえ!これ一体何なのよ!私笑ってないのに鏡の中の私笑ってるのよ!」


ヒトミ「え、あのちょっと…!」

そのとき真里がずっとつかんでた手が気になり、

右腕を振りほどこうとした。


真里「あ、ごめん…」

真里はすぐ放してくれた。

でも鏡を見ると、

ヒトミ「……え…なんで…こんなの…」


真里の手はずっと私の右手をつかんだまま。

その顔はギラギラ輝くように笑ってた。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=VyC7fWV6gI8

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わけのわからない鏡 天川裕司 @tenkawayuji

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