第48話
「やった」
龍太郎が喜んだのも束の間。
「まだだ、すぐ元に戻るぞ」
「嘘でしょ!?」
二人はいったんさがることにした。
「ずるじゃんあんなの」
「だから、戦っても良いことないって言ったろ」
「弱点もないのかな」
「さあな」
「限界まで斬ったら? 細々になるまで」
「霧散したあと、元に戻る」
「打つ手無しかあ」
「だから逃げたほうがいいって言ったろ」
「んー」
と龍太郎は腕組みをした。
「とにかくそれでも倒し続けよう」
「本気で言ってのかそれ?」
楽朗はあきれ気味に言った。
「もしかしたら、倒せるかもしれないからね」
「……」
影の再生がそろそろ終わりそうだった。
「別に手伝ってくれなくてもいいよ、難易度下がるし」
「一人で倒せると思ってんの?」
「全く思えない」
「強がり言ってんじゃねえよ、最後まで付き合うっつーの」
「ありがと」
「じゃあ、いくとしますかぁ」
二人はゆっくりと走りだした。
斬った、斬った、斬った。
倒し続けた。
再生し続ける影。
斬っても斬っても同じことの繰り返しだった。
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