第21話
そして、剣へと姿を変じた。血潮を思わせる赤く鋭い刃。
振り下ろされた腕は切り裂かれ、目の前の影を両断。
巨大な影は煙のように消えていった。
女の子は他の影を五体はやっつけていた。しかし、違う影たちが壊れた入り口から次々と湧きでている。きりがないように思われた。楓は女の子の方に駆け寄る。
「身体が軽い!」
楓は影を斬りながらいった。
「やるじゃん」
女の子はさらに二体斬り倒した。
二人は背中合わせに剣を構える。
「そうかな」
「けど、こっからだよー!」
二人は同時に動きだす。ばったばったと影を斬り息の合った動きで次々と倒していった
私、死にたくない。
死にたくないんだ。
あんなに死にたいって思ってたのに。
本当は……
りっちゃん。
私りっちゃんの分まで、生きたいよ。
「後ろ!」
「うん! 前来てる!」
「ほいさ!」
不思議だ、あの子の呼吸や動きが良く分かる。まるで自分の半身みたいに。どう動きたいのか、どう合わせてくれるのか、それにこっちの動きも、完全に分かってくれてるみたいだ。凄い安心できる。私達ならできる。
「ねえ、あたしたち最強の二人って感じしない?」
女の子は笑いかけてきた。
「分かるかも」
楓もつられて笑った。
「あは、だよね」
二人の息はピタリと重なり動きがさらに良くなった。協奏曲を奏でているかのようだった。
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