第10話
夢を見た。
小さい女の子に手を引かれている。
誰だろう。
温かくて、
懐かしい感じがした。
こっちだよ。
その声は、
包み込まれるような、
安心するような、
聞いたことがあるような、
りっちゃん?
そうだ、この女の子はりっちゃんだ。
そうに違いない。
久しぶりにりっちゃんの夢を見た。
なんでこんなときに見るんだろう。
不思議だった。
私を助けに来てくれたのかな。
嬉しかった。
時計の針の音。
楓は布団の中で目を開けていた。
「何時間経ったんだろ」
布団から顔をだして時計を見る。もう明るくなっている時間だった。太陽が見たい。
太陽を見たらきっと安心できる。そう思った。
起き出してカーテンを開けた。
外は暗いままだった。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
後ろによろめいて、尻餅をついた。ベッドに突っ伏して、布団を握りしめた。
「嘘、どうしよう」
嫌だよこんなの。
誰か助けてよ。
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