凍狂う
@SBTmoya
第1話 [1]〜[5]
[1]
とにかく怖いんです。助けてください。
私は都内の鉄道を利用しているのですが、ここ数日駅前で必ず同じ人を見かけます。
年齢は50代~60代ぐらいの男性で、緑色のパーカーでフードを被って夜、いつも同じ場所にいます。
駅の高架下の、「側溝」と言うのでしょうか?
排水とか雨水が金網の下を流れている場所で、天気の良い日も雨の日も、しゃがみながら傘で側溝の縁を掘ってるんです。
帰り道なので必ず通らなければならないのですが、何だか聞き取りづらい声で独り言を喋っています。
聞き取り辛いなりに聞き耳を建てたところ、「助けてやる」「絶対出してやるからな」と言っているように感じます。
とにかく必死に掘っていらっしゃるのですが、何が怖いって、私の利用してる駅は比較的人が多いので、高架下を通るのは私だけではないのですが、
みんなその人のことが見えてないかのように通り過ぎるんです。
あんな、毎日同じ場所で必死に側溝の溝を掘ったら誰かしら気にしそうなものですが、誰も見ようともしません。
見て見ぬふりをしているようには見えないんです。
特別危害を加えられたわけではないので警察に言うことも出来ません。
私は一人暮らしなので相談する相手もいません。最近では怖いので遠回りをして家に帰っています。
あれは、私にしか見えないのでしょうか?
どなたか、彼を知っている方はいらっしゃいますか?また、違う駅でも見たなどの目撃情報でも結構です。
とにかく怖いです。助けてください。
{2]
毎年のように、町ではひとりずつ小さな子供が姿を消していた。
その原因は不明だったが、いつも不気味な「側溝」へと通じるという、どこにでもある「怖い噂」があった。
夜になると、側溝から「イタエサキ…イタエサキ…」という、呪文のような声が漏れ聞こえるというのだ。その言葉には聞き覚えがないが、妙に懐かしく、誘われるような響きがあった。
ある晩、小さな少女が好奇心に駆られて、夜更けにその側溝へ近づいた。静かな夜に「イタエサキ…イタエサキ…」と響く声に耳を澄ませると、側溝の奥で、同じ姿をしたもう一人の自分がこちらをじっと見つめていた。
その「もう一人の自分」は、顔中が泥にまみれ、目は潰れ、唇は腐りかけていた。
苦悶の表情を浮かべ再び低い声で「イタエサキ…イタエサキ…」と呪文を唱え始める。その声に囚われたように、少女の体は自分の意志とは裏腹に側溝の奥へと引き寄せられていく。
気がつくと少女は、自分が側溝の奥に閉じ込められているのに気付いた。目の前には、まるで「儀式」のように自分と入れ替わった影が、何事もなかったかのように地上に立ち、まるで古代の言葉を唱え続けるように「イタエサキ…イタエサキ…」と繰り返しているのだった。
翌朝、少女の姿は町から消え去り、側溝の底には古ぼけた赤いリボンだけが残されていた。
その後も、町の子供たちが側溝を通ると、かすかに「イタエサキ…イタエサキ…」という呪文が聞こえると言う、そんな噂話だ。
[3]
今日も同じ夢を見た。
便所の匂いがする、独房の夢だ。
3方はヘドロが染み付いた臭くてべとついた壁。
アリやらネズミやらミミズやらが足元を、俺にお構いなく這っている。
1方は固定された金網だ。俺が金網にしがみついていると、向こう側から俺を笑ってやがる奴がいる。
「そんなんだからお前は臭いんだよ。」と俺を馬鹿にする。
このやろう、そこにいろよ。ぶん殴ってやる。俺は金網を両手でつかみ揺らすと、上から大量の水が降ってきた。
例えるなら「滝のような」じゃない。決壊したダムだ。
俺は水圧に押し潰されて動けず、あっという間に水の闇の中に閉じ込められる。
口から、鼻から水が流れ込み、気管に肺に水が流れ込み、胸に強烈な痛みが走り、目も開けられず呼吸もできず、ただ必死に金網にしがみつくだけ。
肺の中の空気が抜け、感じるのは頼りない心拍だけ。その中でさっきまで俺を馬鹿にしてたやつの声が聞こえる。
俺を笑いながら、「イタエサキ」と言っている。
[4]
渋谷の片隅に、ひっそりと残る古い側溝があった。そこはかつて川だった名残で、水はけを良くするために作られたものだが、いまではゴミや泥が堆積し、夜になると嫌な臭いが漂うような場所だった。
小学生たちの間で、「渋谷の側溝の手」という噂が密かに広がっていた。夜になると、側溝から白く冷たい手が伸び、通りかかる子供たちの足を掴むという。
手が触れると、その者は夜ごと「側溝の声」に呼ばれ、渋谷のどこかの暗い場所へと誘われていくのだという。
ある夜、中学生の健太と友人たちがその噂を確かめに行くことにした。
都会の明るい街灯に照らされる渋谷の片隅にあるその側溝は、昼間は何も異常のない場所だったが、夜になると、不気味な風が吹き抜ける。健太たちは側溝の上に立って、「出てこいよ!」と挑発した。
すると、側溝の奥からぼんやりと白いものが現れた。それは「手」だった。側溝の奥から伸びる手が健太の足首をつかむと、冷たい感触が肌を通して伝わり、耳元で「水に…還る…」と囁く声が聞こえてきた。
友人たちは慌てて健太を側溝から引き離し、必死にその場を逃げ出した。
だが翌日、健太の足には手形の痣がくっきりと残っており、まるで何かが中に取り憑いたようだった。
そしてその夜から、健太は毎晩側溝の方へと足を向けるようになった。まるで「水に呼ばれる」かのように無意識に歩き出し、口の中で「…還してやるから…」と何度も呟くようになった。
やがて、風水に詳しい者が、「渋谷の側溝は本来、水の流れを封じた良くない場所だ」と噂を始めた。かつて川だった地形に不自然に側溝を作ったことで、水の気が淀み、「異形のもの」が渋谷の地下で目を覚ましてしまったのだという。
以来、夜の渋谷で、側溝から冷たい手が伸びてくることが増えたと囁かれた。都会の喧騒の裏で、側溝からの「還してやる…」という小さな声は、今でも誰かに届くのを待っているのかもしれない…。
[5]
・器の作成工程
• ■■■■:■■の土台部分に■■■■■■や砕石を敷き、水■を整えます。また、一定おきに塩と米を撒いて、指をおきます。
• ■■■■ッ■■■■:■■を■■■■ー■■■■ッ■■■み立てる場合、1つずつ丁寧に■■していきます。一定間隔で設置される■■と乾燥した膵臓とコンクリートで補強を行い、構造を強化します。
• 継ぎ目のシーリング:側溝ブロックの継ぎ目部分にはシーリング材やモルタルを充填し、漏水を防ぎます。
・儀式の手順。
・・・以下は資料の損傷が著しく、判読できない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます