第9話

「ママ!起きて!!」




_____ある日体をゆすられて目が覚めた






『優莉、?どうしたの??』





『ママのお耳壊しちゃった…』





そう言って優莉は今にも泣きそうな顔で

私に割れた補聴器を差し出してきた。





『ケガは??大丈夫??』





『…ケガはしてないよ』





『ならよかった。

補聴器ならそろそろ替え時だったし

気にしなくていいからね』





『ママ、怒らないの?』





『間違えは誰にでもある事なの。

それに優莉が無事ならママは大丈夫』





私がそう伝えて頭を撫でると

優莉は泣き出した。




「…………」





___こんな時に泣かないでの一言も

かけてあげられない自分が憎くて仕方ない。

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