【track.05】④



 午後になると、チハツは先んじて買った服装に合わせたくなったのか、コスメショップの方面へと行きたいらしかった。


「あと未散、あんたも来なさいよ」

「は? なんで私が」

「その飾りっけのなさすぎる顔面が許せないのよ! 素材は最上級の癖に、なんでそんなに頓着しないの! ムキーッ!」


 我が儘ここに極まれりといった風格だが、ミチルも参考書を見た以外は特にやることがなかったのか、拒否が押し負け、引きずられるようにして若者向けファッションフロアの奥へと連れていかれていくようだった。


「俺はどうすっかな。部活のこともあるし、勉強がてら久しぶりにCDショップにでも行くかね」


 店舗数が減少傾向にあるというCDショップも『ジャーニー』には大型店舗があり、説明用パンフレットには有名アーティストのサイン色紙の展示や特別な店舗特典を売りにしていた。


「あ、じゃあ、僕も一緒に行こうかな……」

「そうか? 詳しくねぇ俺だけだと探すのに手間取るかもしれねぇから、人手があって助かるわ」

「そんなに特別、手助けになるとは思えないけど……」


 ひとまず、それぞれの行く手は決まったようだった。

 ――チハツとミチルは若者向けコスメショップへ、

 ――ダイキとリオンはCDショップの方へ、

 それぞれ向かうらしかった。

 そして、ユウがトキオと共についていくのは――、


  ◇


  【選択肢:チハツとミチルについていく/ダイキとリオンについていく】


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