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「親分、本当にあの坊主がここに来るんすかね?」
準備を終えた俺達は小僧を拉致する為に、緑蛇のしまう占いに従いテネブラファミリーの奴らに警戒しながら再びカルルス霊園に訪れた、茂みに隠れ辺りを伺いながら小僧の到着を待つ。
「思い出の場所っでいやぁ、ごごじが思い浮かばねぇがらな…よじ緑蛇、ぢょっどガギを攫っだ時の作戦のお浚いずる!地図出ぜ!」
「へい…あっ!」
緑蛇が地図を開くと、間に挟んでいたサインペンが道路の方に転がっていった。
「あ゛っ馬鹿野郎!貴重な開運アイテムを落どずんじゃねぇ!!」
「そんな親分ペン1本で大袈裟な…」
俺は緑蛇が落としたサインペンを拾う為に、車道に出てしゃがみ込む…と、突然部下達の悲鳴が聞こえてきた。
「おっ親分危なーーーいっ!!」
「べ?」
部下達の声に顔を上げると、そこには俺様に向かって迫り来る車が見えた。
×××
「―――それでね!銭湯のおじさんが優しくってお風呂上がった後に、良く賞味期限が近いフルーツ牛乳とかコーヒー牛乳とかを、他の客には内緒だよってタダでくれるんだよ!」
「貴方牛乳嫌い何じゃありませんでしたっけ?」
「フルーツ牛乳とコーヒー牛乳は甘いから大丈夫なの」
「そうですか」
車を走らせてから暫く走行していると、中身がお子様であるコタロー君はアジトが見えなくなると外の景色に見飽きて、頻りに私に話し掛けてきた、楽しそうに話す最中に不意にコタロー君が、あっと声を漏らして外の景色を見た。
「どうしたんですか?」
「ここ、バスの中で見た事ある」
「え?」
「…もうすぐで霊園に着いちゃうんだね」
コタロー君は先ほどまでの楽しそうな表情を曇らせて、寂しそうな声色で呟いた。
「コタローく「あっ!!」
「「!?」」
キキキーーーッ!
コタロー君に何か声をかけようとしたら、運転手が突然大声を上げて急ブレーキをかけて、私達の体は前のめりになってしまう。
「どっどうしたんですか!?」
「あービックリした…」
「すっすいません紅菊様!もしかしたら人を轢いてしまったかもしれません!!」
「えっ!?」
「何しろ突然飛び出して来たもので…大丈夫ですか!」
運転手は車を飛び出してその轢いたらしい人の元に駆け寄る、その瞬間を見ていなかった私は不測の事態に動揺してしまった。
「えっなに?何があったの?」
「あっコラ!コタロー君!」
コタロー君は子供故の好奇心から外を見ようと窓を開けてしまう、私は最悪の事態を考え彼に死体を見せない為に、彼の腕を掴んだ瞬間、突然鼓膜を劈く様な音と共に、私の意識は とお の い て い く
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