第4話 香水 (恋愛)

男の人でそんな香水つけるんだ、って思った。


タバコ吸うからだって。


だからって、女ものだよ?



タバコも吸うし、バイクも乗るし、地味オンナの私から見たらなんか世界がちがうなー……って感じで、接点なんてなさそうだった。



そう思ってたら、あれよあれよと付き合うことに。


私も、あの人も、なぜ付き合うことになったのかはなんだかわからない。


どこが好きかと言われたら、お互いわからない。


どれくらい好きかと言われたら、それもわからない。


でも、カップルは誕生した。



結局すぐ別れるんだけど、それなりにお互いを大切に思っていたのはそうなんだけど、努力するほどには好きではなかった、そんな感じ。


ただ、彼のつけていた香水は好きだったから買ってみた。


世の中の期待としてはそこに未練を醸してほしいかもしれないが、断じてない。


香水をつけてみるが、彼の匂いではなかった。


体臭と混ざることや体温で匂いが変わるとは聞いていたけど、こんなにちがうのか。


残念。


彼の好きなところは、


彼の匂いとバイクに乗せてくれたことかな。




(終)

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