『黒宮家、調査記録』
このエピソードを含め、登場人物の名前は全て偽名です。物語に合わせて改変してあります。悪しからず。
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白鳥さんへ。
姪っ子さん、もうすぐ退院できると聞きました。私も正直、ここまで早く回復するとは思ってもみなかったので、とても驚いています。
もう少し姪っ子さんについて話したいですが、このままだと話が逸れてしまいそうなので本題に入ります。
約束通り、白鳥さんからお借りした鍵で、■■■■村にある黒宮一家が暮らしていた家の中を調べました。目的の物は見つかりませんでしたが、使えそうな資料がいくつか見つかったので、添付しておきます。
要望通り室内の状態も書いておきます。
柳沢より。
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【建物の構造】
一部新築、二階建て。
〇一階
・六帖和室×3
・八帖和室×2
・キッチン(八帖)
・トイレ
・浴室
〇二階
・六帖洋室×2
・六帖和室
・トイレ
【内部の状態】
一階。
〇六帖和室A
玄関から入って、すぐにある部屋。
机の上にあった手紙の山には
壁にはモノクロ写真。
床には、黒いシミが二つ。入口と部屋の奥に二つずつ……血液でしょうか?
押し入れには綺麗に折りたたまれた布団がありました。他にはテレビ、ちゃぶ台、本棚、テレビ、椅子……。
〈作者メモ〉
あまり入ったことがなかった部屋。
個人の生活スペースの中では一番広い。
部屋の主は、鬼みたいに怖い人だった。
撮影した写真。
↓
https://kakuyomu.jp/users/sugarann/news/16818093090470462850
〇六帖和室B
八帖和室Aと襖を挟んで繋がっている。
一番、広い部屋。
床の間がある。縁側と繋がっている。
縁側の外は庭。
室内には、テレビ、背の低いテーブル、座布団の山、子供のらくがき。
〈作者メモ〉
おそらく、この部屋が居間。
客人が来た際は、ここに案内される。
日当たり良好。こたつもあって、遊ぶには最適の場所だった。最新式のエアコンがあったが、元々すきま風が多い家なので、あまり意味を成していない。
〇六帖和室C
子ども部屋だと思わしき場所。
座敷牢になっている。
中にはテレビや子供の好きそうなオモチャや、絵本……。
撮影した写真
↓
https://kakuyomu.jp/users/sugarann/news/16818093090470498948
〇八帖和室A
六帖和室Bと繋がっている。
語ることなし。
〇八帖和室B
キッチンと繋がった部屋。
和室のデザインに合わせたテーブルと四人分の椅子。おそらくダイニング。
〈作者メモ〉
食事を取るスペース。
この部屋にはエアコンがないので、石油暖房が二台がかりで部屋を温めていた。この部屋にテレビがないのは『食事中は家族と話す時間』という薫子の方針に従っていたから。
テレビで見たい番組があったら、すぐに食事を完食するしかない。
〇キッチン
現代的で綺麗なキッチン。
IHと食洗機がついている。
〈作者メモ〉
古臭い黒宮家では、数少ない現代的な生活空間。アンティークな食器が多いのは、家主の趣味。キッチン付近がやけに綺麗なのは、火事の後、建て直したかららしい。
二階。
〇廊下
撮影した写真
↓
https://kakuyomu.jp/users/sugarann/news/16818093090470710106
〇トイレ
昔ながらのボットントイレ。
使われている形跡はない。
〈作者メモ〉
歩く度にギシギシ鳴る廊下。
むかし、窓を無理やり開けようとして、破壊してしまった。
〇六帖洋室A
仏壇しかない部屋。
撮影した写真
↓
https://kakuyomu.jp/users/sugarann/news/16818093090470779594
〈作者メモ〉
黒宮家は仏教信仰していないはずだ。仏壇なんて、ただの戸棚にしかならない。
〇六帖洋室B
男性の部屋だと思われる。入ってからすぐに視線を感じたので逃げた。
〈作者メモ〉
誠人の部屋。
もちろん、入ったことはない。
〇二階六帖和室
特に何もない部屋。片面の壁に大量の爪で引っ掻いたようなキズ。
撮影した写真。
↓
https://kakuyomu.jp/users/sugarann/news/16818093090430973331
〇トイレ
一階と違い水洗式。
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柳沢さんへ。
わざわざ、……県のド田舎まで赴いて下さりありがとうございます。
私は現在、自由に身動きが取れない状態なので、代わりに行って下さり、助かりました。私が職場に戻ったら、また飲みに行きましょうね。
それにしても、本当に気味の悪い家ですね。私は数回しか行ったことがありませんが……あんな場所で十年も過ごしていた姉に同情します。私の記憶では、もっと綺麗な場所だったんですけど。おかしいですね。
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