とある女性の遺品であるスマホから見つかった録音データ

*持ち主の女性と男性が会話している。


女性「……、お疲れ様……今日はどうだった?」


男性「まぁまぁ、かな。そっちは?」


女性「わたし? 今日は散々な目にあったわ……特に……さんとか、やる気がないならウチのチームから外れてくれればいいのに」


男性「あはは……それでも頑張っている……はすごいと思うよ?」


女性「ありがとう……、ねぇ、今日の夜わたし暇なの。わたしの言いたいこと分かる?」


男性「分かるよ、分かってるけど……ごめんね。今日は無理なんだ。いや、これからも無理だね」


女性「それ、つまり別れるってこと?」


男性「残念だけど、結果的にはそうなるね」


女性「何を言っているのか、分からないを、だけど。どうして別れようと思ったの?」


男性「それは……君には時間が残されていないからさ」


女性「は?」


男性「君は『鬼』の祟りに飲み込まれた。もう逃げられない。だからといって真実にもたどり着けない。そんな時間は残されていないからね」


女性「……やっぱりそうだったのね、ストーカーの正体って……」


男性「いや、あれは君が撒いた災いの種だよ。俺は無関係だね」


(しばらくの沈黙)


男性「ねぇ……なにをする気なの?」


女性「わたしが死ぬなら、ここで貴方も死ぬの。これ以上だれも犠牲にしない」


男性「あれぇ、何か誤解してるみたいだけど……俺は利用させていただけであって、元凶では……」


(なにかが割れる音)


(記録はここで終わっている)

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