■■■■村のカミサマは
白鳥ましろ
とある新聞記者が同僚(友人)に送ったメール「『鬼』の話とは」
白鳥さん。
突然のご連絡失礼いたします。
私が以前、ストーカーに関する話をしたことを覚えていらっしゃいますか?
買い物に行こうが、出勤しようが、旅行に行こうが、外出をする度に私をつけてくるストーカーについてです。
ストーカーと関係がありそうなことが分かったので報告させて下さい。今から話すことは他言無用でお願いします。
心当たりができたと言っても、犯人が分かったわけではありません。
ただストーカーに追われるようになったキッカケといいますか……時期が関係あるのではないかと思いました。
ストーカーに追われるようになったのは、今年の一月からです。ちょうど、あの時期から私は■■■■村に伝わる『鬼の話』について調べ始めていました。
■■■■村は、2019年辺りからネットに投稿された怪談によく登場する場所です。今でもXとかティックトックで検索すれば、関連する動画がヒットするて思います。
ちなみに■■■■という場所は実在します。しかし、怪談に登場する■■■■村と関係するかどうかは分かりません。
おそらく〇〇さんは、なぜ私が突然■■■■村に関する話を調べ始めたのか疑問に思ったでしょう。理由もこれから話します。
2019年から2022年までの間に、私が取材した不審な殺人事件や行方不明事件のうち数件――その中に、ある共通点があったんです。
それは事件直前まで被害者が『鬼の話』というものについて調べていた……というものです。
『鬼の話』についても調べて見ましたが、結局、これといった正解らしきものは見つかりませんでした。しかし、一つだけ分かったことがあります。
それは『鬼の話』を知った人間は呪われる……ということです。『知ると呪われる話』というのは怪談や都市伝説でお決まりのパターンだと思いますが――私に付きまとうストーカーの存在に、『鬼の話』について調べていた人物が亡くなっているという事実……これは偶然でしょうか?
とあるネットユーザーによれば『鬼の話』は、既存の話をわざと脚色して、間違った形で拡散すれば無効化できるそうですが……。
もし私が無断欠勤するようなことがあれば、お手数ですが私の同居人に電話をかけて頂けませんか?
そして、私の身に何かあった際は、警察に通報していただけないでしょうか?
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