医療診断書

患者名:◾︎

年齢:24歳

性別:女性

職業:システムエンジニア(都内勤務、一人暮らし)

主訴:「夜中に“おかあさん”と呼ぶ声が聞こえる」




1. 現病歴


患者はIT企業に勤務。

知人から「くろみやれいを呼ぼうとしたら、毎日誰かの視線が近づいてくるようになった」と聞いたことをきっかけに、精神に異常が見られるようになった。近頃は夜間に「すすり泣き」や「おかあさん」と呼ぶ声を知覚し、睡眠障害を呈している。




2. 既往歴


精神疾患の既往なし。

身体疾患なし。




3. 精神状態所見

外見:身だしなみは清潔だが、眼の下に著明な隈。

感情:孤独感と不安感が強い。

知覚:夜間に反復して児童の声を聴取。本人いわく「録音しても入っていないのに、自分の耳には確かに聞こえる」とのこと。

現実検討能力:保たれている部分もあるが、幻聴内容を現実と混同する傾向。




4. 鑑別診断

・統合失調症スペクトラム障害

・重度ストレス障害に伴う解離症状

・睡眠障害に関連する幻覚



5. 治療方針


抗不安薬・睡眠薬の投与を試みるが、患者は「薬を飲むと彼に嫌われる」と拒否的。

孤立感の緩和を目的に心理的支援を検討するが、患者は「家族を待っているから」と繰り返し発言。




6. 経過


初診から10日後、患者は勤務先に欠勤の連絡を入れたのを最後に出勤せず。

自宅訪問の際、室内は整然としていたが、机上に以下の文言が書かれたメモが残されていた。


「もう寂しくない。わたしは家族になれた」


その後、患者の行方は確認できていない。




記録者:□□病院 精神科医 ◾◾ ◾◾

(院内症例検討会用資料)

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