国公立を目指すなら、まずは二次試験対策だ!
——国公立大を目指すなら、まずは二次試験対策だ!
【この頁はひじょうに大学受験生(国公立志望)向けです】
「えっ、先に共通テスト対策じゃないの?」
そう思った方もいるかもしれない。
だが残念ながらそれは、あまり懸命な案ではないと思われる。
国公立大の受験生の受験本番までのスケジュールを想像していただきたい。
共通テストは、一月中旬の土日二日間。
国公立二次試験は、二月二十五日。
一次、二次の間には……
一ヶ月ほどの猶予しかない。
まさかとは思うが、その一ヶ月だけで二次試験対策が間に合うとお考えではないだろうか?
本音を言えば……
あなたが秀才や天才でない限りは、かなり厳しい戦いが待っているだろう。
国公立大の二次試験は、マークシートで解ける程度の問題しか出ない共通テストとは違って、高度かつ良質な問題が出題される場合が多い(悲しいことに近年は受験生の習熟度の低下により「狭く、深く」から「広く、浅く」の出題に変わりつつある大学が増えている)。
ここでの「良質」という言葉の意味は、大学の教授陣が「これを解ける人に入学してほしい」という思いを込めた、「その大学らしさ」のようなものである。
そうとも知らず、共通テストの延長、くらいのノリで受けてしまうと……
まるで歯が立たないだろう。
だから、このように受験勉強を進めることをおすすめする。
あなたがもし今、高二なら、まず志望大学の過去問の、一年分を、必要な科目を、解いてみる。
(お気づきだろうが、志望大学が決まるのが早ければ早い方が、とんでもなく有利になる)
そして、高三の冬までに、これを解けるようになってやる、と覚悟を決めたら(決めなければならない、始まらない)……
少なくとも高三の夏休みまでは、二次試験対策、つまりは志望大学の過去問をひたすら解いて、いいだろう(スパルタに聞こえるかもしれないが、基礎固めは、これと並行してやる)。
ただし、注意点がある。
「二次試験直前期にセルフ模擬試験をする教材がない!」とならないようにするべきである。
具体的には、比較的新しいもの(前年度分などは特に)をやらずにとっておいて、本番前に腕試しに使い、一方で古いものは、志望大学のエッセンスを汲み取るために、大門で分けたり、細切れにしたりして、自由に使えばよい、という感じだ。
古い過去問は、概ね最近のものよりも難しい場合がほとんどなので、上記に沿ってやれば、先に難しいもの、後に易しいものをやるわけだから、自ずと解きやすくもなって、精神衛生上も、良いだろう。
この錯覚のような効果は、いずれ「本当の成長」となって現れるので、楽しみに待つと良いだろう。
そうして、ある程度志望大学の二次試験について理解を深めていくと、いつのまにか、「何としても合格してやる」という気にもなりやすいはず。
モチベーションも上がったところで……
魔の共通テストと対峙(夏〜秋にかけて)するのである。
仰々しくも「魔の」としたのは、前述の、官僚と共通テストの話を意識しているからである。
受験生皆が官僚を目指すわけではないが、国公立大学を志望する以上、共通テストが求めてくる、大量の高速事務処理能力を、嫌でも磨く必要がある。
幸か不幸か、共通テストの過去問は、追試分(追試は正規の日程よりも総じて難しい傾向にある)、前身のセンター試験なども含めれば、膨大な数がある。
それらを、ひたすら、解く。
知を磨くというよりはむしろ、がむしゃらなランニングや、筋トレに近いかもしれない。
(ランニングや筋トレに、脳みそが全く必要ない、脳筋だ、などと言いたいわけではない)
ただし、共通テストに毒されないよう、その合間合間には、オアシスを求めるようにして、肝心の志望大の過去問をやるのもいいだろう(やる気の回復にもつながるはず)。
いわゆる難関国公立大を目指すなら、少なくとも八割の得点率が安定して出せるようになるのが理想だろう。
というのも、二次試験では、より深い思考が求められ、全受験者の平均点はかなり低く出ることがわかり切っているので、共通テストでコケて二次で巻き返すのは、至難の業なのである。
(一次、二次の得点の合算方法は大学ごとにかなり異なるので、よく知っておく必要がある。共通テストの得点が圧縮されたりと、比重が変わってきたりする)
そもそも、点が足りない、足りる、という感覚を養うには、各々の得意不得意に応じて、合格できる場合の得点シミュレーションをしないわけにはいかない。
共通テスト、二次試験、いずれにおいても、自分がどれだけの得点が見込めるかを把握するためにも、やはり、本物の過去問を使って対策をするべきだ。
学校でやらされる、過去問以外の教材や、各種予備校の模試の類は、どこまで行っても「まがいもの」であるので、そんなものに対して「できた」とか「できなかった」と一喜一憂はせず、あくまで補助的なものとして考えるべきである。
どうだろう、少しは受験戦略が、イメージできたのではないだろうか。
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