大人は大きい子供である

——大人は大きい子供である。


 大人とは、なんだろうか。


 背の大きな人?

 年をとった人?

 働いて税金を納めている人?

 結婚している人?


 違うだろう。  


 それらのいずれかに当てはまっても、なんの向上心も無い者、他人に害を与えてばかりの者、自分の身の回りの世話もできない者などが、いくらでもいる。

 

 一方で、子供ながらにしっかりした考えを持つ者もいるのは、言うまでもないことだ。


 言葉を選ばずに言えば、世には、すごい子供もいるし、平凡な子供もいるし、すごい大人もいるし、平凡な大人もいるし、どうしようもない子供も、どうしようもない大人もいる。


 かくいう私も、どうしようもない大人なのかもしれない。


 ただ、誰しも完璧ではないし、完璧を求められるのは、辛い。


 大人になったらなんでもできるようになる、というのも幻想だ。


 そう……


 大人とはこういうものだ、などと、誰も決められないのである。


 だが一つ、確かに言えることは……


 大人とは、子供が大きくなった姿である、ということ。


 「大人」というのは、あくまで呼称にすぎないのであって、その中身を決定するような言葉ではない。


 だから、大人も子供も、皆、平等なのである。


 平等なのだから、ルールの範囲内で、何かに挑戦しても、意見しても、いいのである。


 だが、時には……


 ルールを壊しても、いいだろう。

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