(勘違い!)魔法少女の日常

隣乃となり

魔法少女ゆりあ


 齢十二にして、あたしは気づいてしまった。


 この世界はクソだ。毎日行かなきゃいけない学校も、あたしの話なんかちっとも聞いてくれない先生も、救えないほどに幼稚な同級生たちも。ぜんぶぜーんぶ。


 あたしは絶望した。あたしの精神に肉体が追いついていない。あたしは見た目だけならやっぱりどこにでもいる普通の女子小学生だしね。あたしはこれからも社会の馬鹿みたいなおままごとに付き合わされて、ずっと赤ちゃんごっこをしなきゃいけないの?



 はあー。あまりにもひどすぎる。



 だからあたしは、魔法少女に閾ェ辟カ縺ェ隨鷹。斐▲縺ヲ菴包シなることにした!


 魔法少女は素敵だ。お菓子みたいで。この世界のものじゃないから、この世界のものじゃないくらい眩しく光っている。

 魔法少女になれたら、あたしも皆と同じように頭のネジを何個か外せるかもしれない。


 なろうと思ってなるものじゃないことくらい、わかってる。


 でもあたしは魔法少女になった。自分でなりたくてなってもいいじゃない。別に。世界を救ってほしいと頼みに来る可愛らしい動物のマスコットは一向に来ないけれど、多分まだあたしを見つけられてないだけだから。隣の市くらいには来たかな。早く来てね、役立たず。

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