宗派乱戦 ~ catastrophe ~

牡丹

第1話 ?????の集い

1,10,100,1000,10000,……,100000000,……

「かなりの数ですね」

 若者は隣にいる男に話しかける。

「……そうだな、しかし…」

 男は部屋にある祭壇に近づいて貢ぎ物を見つめながら続ける。

「それに反して貢ぎ物は減りつつある」

 これは由々しき事態であると、

 しかし、若者は理解できず首を傾げた。

「人口が増加しているので食べる量は必然的に増えることはおかしいことではないのでは?」

 それに男は首を振る。

「そうではない。貢ぎ物が少なくとも我らが困ることはそれほど無い。無いが、信仰が人口の増加に反して減少しているのとが由々しき事態であると言っておる」

 若者は気づいた。これがちょっとどころではない、大問題であることに。

「信仰が薄れることだけではない」

 2人の会話を聞いていた男が部屋に入ってきた。2人は男に深く頭を下げた。男は手を上げ2人の表を上げさせ続けた。

「近年は我らと同じ存在だと戯言を抜かす戯け者が増えてきておる」

「そうじゃそうじゃ。我らの名を汚す者も多い。」

「我らの名を掲げて教えと反した行動をする者のせいで化物扱いされたこともある」

「貴方は少し優しすぎるのです。祟ってしまえばいいのに」

「そやつらのせいで我らを信仰している者も後ろ指を指されておる」

「嘆かわしい」

「人間は人間であることを理解させねばならない」

「だが我らの声に耳を傾ける者は少なく信じる者はそれよりも少ない」

 狐を連れた小柄な女性が、白い寛裕服を纏った筋骨隆々の男が、黒を基調としたガラベーヤを纏うい金色の腕輪を身に付けた女性が、茶色のローブを纏いスードを深く被り杖をついている老人が、、怒り、哀れみ語った。そこに長い白髪を耳にかけながら男が口を開いた。

「、もういっそのこと望み通り終末にしてやったらいいんじゃね?」

 いつも彼の言葉を素直に耳を傾ける者はいなかった。しかし、男の言葉に「それは良き案だ」と賛同する声が広がる。しかし、1人の女性が口を開いてその盛り上がりは弱まった。女性は白く長いローブに身を包み黒い髪を三日月がモチーフになっている冠やヘアバンドでまとめ左手に松明を背には矢が入った矢筒を掛けており狩人のような姿をしていた。

「しかし我らの手を血で汚すことになりませぬか?」

 彼女が言いたいことはよくわかる。穢れを拒む者は少なくはない。

 すると、それを聞いていた背の高い金髪に金色の髭を男が彼女の背後から問う。 

「ん~?なぁんで俺らが手を下すのさ、」

「どういうことだ?」

 女性は振り返り男を見つめる。男は左手で顎の髭を撫でて答えた。

「アイツらがそう望んでんならアイツらでそうさせればいいだけの話さ。俺らが言えば予言だ天恵だなんだ言って勝手に動くだろう」

 それを聞いて女性はなるほどと頷いた。

「儂らの言葉の解釈次第か……面白そうだの」

「それならもっと面白くしようぞ!」

「上からただ観るのもつまらないですし決闘などの催し物を開催してみるのはどうでしょう」

「でも1対1の形式はワタクシ飽きましてよ」

「いくつかの国や民族、宗派をチームにして乱闘させる形はどうだろうか?」

「場所を造り次第闘わせぬのか?」

「それも面白ろそうだが……前座として試練を与えてみたい」

「それは名案ですわ!」

「会場は我が造ろうぞ」

「自分も協力しますぞ」

「ならルールなどは私らで考えませぬか?」

「いいですね!」

「私で良ければよろしくお願いいたします」

 朝も昼も夜も晴れも雨も雷も気にせずただ時に任せ話し続けた。

 彼らには疲れるなんて概念なんてないのだから……

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