書けない
中下
書けない
書けない。何も構想が湧いてこない。
童貞であるうちに、真実の愛が本当は存在しないことに知らないフリできるうちに、愛を信じられているうちに、その精一杯の虚勢を虚像を文章にしたいのに、何も書けない。こんな、愚痴以外何も書けない。
布団の中にくるまって、電子の海に拳を打ち付けている方がラク…というのもあるが、単純に、何も構想が湧いてこなくなった。忙しすぎるのかもしれない。
大学生になって、カルチャー系の人ともたくさん接して、素晴らしいものに出会えた。ライ麦畑で捕まえて、タクシードライバー、惡の華、1900年、ダダ、ファシズム、未来派、全体主義芸術…。でも、これだけ素晴らしいものに接しても、もう何も湧いてこないのだ。
大学生になって、色々やりたかったはずだった。映画、バンド、学生運動。でも、今はもう何も分からないのだ。
金。金金金金金金。ばかばかしい。自分の枯れ果てた理由は、金が無いだけではないだろう。しかし、金が無いことは確実に理由の一つである。ばかばかしい。
少し、疲れたのかもしれない。
書けない 中下 @nakatayama
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