ゆっくりと、葬って

ハナダイロ

1

 太陽神アポロンや葡萄酒と豊穣の神、ディオニュソースを讃えるために大勢の全裸の青年が円形の広場で踊り狂う。若者たちは鍛錬された全身の筋肉を惜しげもなく使い、神々を讃える詩を朗誦し、合唱する。彼らが舞うたび跳ねるたび、艶やかな肌から流れ落ちた汗は焼けた広場の石畳にかすかな湯気を立てながら吸い込まれる。豚、うさぎ、ガチョウ、生贄を定めるその時、首肯いた雄の家畜は喜んで自ら生贄を引き受けたと見なされ祭壇にて頭を鞭打たれる、萎びた生贄は追い打ちをかけるように頸動脈をナイフで裂かれ、滴る血は無発酵の硬いパンを浸したワインやミルクと共に、すっかり酩酊した青年たちの舌に受け止められる。ギュムノパイディア、古代ギリシアの祭典。サティはこの祭りの様子が描かれた壺から「ジムノペディ」の曲想を得たというが、三曲構成のその曲には一番から三番までこんな指示がついている。第一番、「ゆっくりと苦しみをもって」、第二番「ゆっくりと悲しみを込めて」、第三番、「ゆっくりと厳粛に」。その曲調はニ長調とも口調調ともつかず、至って静謐なメロディーだ。サティの曲解か、あるいは祭典に対する皮肉を込めたのか私の感性の問題か、ギュムノパイディアのイメージとジムノペディは私の中で噛み合わない。

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