第17話 「リータ魔王国復興計画」
その後私は少し休憩を提案し、ふたりでくつろぐ時間を過ごした。気持ちが落ち着いたところで、レイアがまた話を始める。
「さて、まずすべき事なのじゃが、傷つき
「そうだな。私達人間にも原因があるし、
「うむ。その後、失った魔物達を復活させるつもりじゃ」
「それはレイアができるのか?」
「うむ。魔王じゃからな。ただし、失った数が多いから、膨大な魔力を必要とするのじゃ。それに、四天王や階層ボス達のような強い魔物は、わらわでも復活させることはできぬ」
「それは痛手じゃないか。何とか復活させられないのか?」
「肉体をある程度復元することまではできるのじゃが、魂を呼び戻すことができぬのじゃ」
「あ!」
私はふと考えがひらめく。
「何じゃ?」
「肉体を復元できるなら、復活させてあげれるかもしれない」
「え?? タクトがか?」
「やってみないとわからないが、聖魔法の蘇生でいけるなら、できるかもしれない。まだ複数は無理だけど、一体ずつなら何とかなるかも」
「おお、それは考えもつかなかった。じゃが、復活させた後、今までの力が戻るかが問題じゃな」
「それは復活させてから考えればいいんじゃないかな」
「確かにそうじゃの。まずはできるかどうか、やってみるかの?」
「そうしよう」
もしできれば、こちらの戦力もかなり充実するはずだ。やらない手はない。
「その後は生活基盤を元の状態に戻しつつ、
「なるほど。食糧や軍資金は必要だもんな」
「うむ。軍資金は何とかなると思うが、食糧問題じゃな」
「わかった。それで全部か?」
「いや、まだある」
レイアはそう言うと、もう1枚の地図をテーブルに乗せる。
「実はの、わらわの国の地下に、《アビス》という深層世界に通ずる場所があるのじゃ」
「アビス?」
「ああ。そこには強力なデーモンロードという種族がおってな。彼らの助けを借りれるよう要請するのじゃ」
「その種族は強いのか?」
「ああ。放置しておくと、魔族とて
「
私はレイアの話を聞いて無性に怒りがこみあげてくるのを感じる。
「ああ。奴らは複数おるゆえ、一人ずつ引き入れなければならぬ。わらわとて、複数を相手にするのはきついからのう。じゃが、味方にできればリオリス国との戦争に有利に働く」
ふと、私はレイアの話を聞いていて引っかかっていた事を話す。
「そうなのか。レイア、実は……」
「どうした?」
「アビスってところ、ひょっとしたら行ったことがある場所かもしれなくて」
私がそう言うと、レイアはひどく驚いた表情で返す。
「そんなことは無いと思うぞ。あの場所は人間にとって過酷な場所のはずじゃ」
「確かにそうだったと思う。私がこの世界に召喚されて、まだどこのパーティーにも属していない時だ。エレノーラ様からのミッションで、二人で《深層》というところに行った事があるんだ」
「深層じゃと!?」
「ああ。確かその時に、アビスという言葉を聞いたことがある気がする」
「そこで何をしたのじゃ?」
レイアが興味ありげに
「確か、何体、いや何人か、と戦って、友になれたんだ」
「えええええ!!!!」
私の発言にレイアがひどく驚いた。確かに大変ではあったのだが。
「いったい誰なのじゃ?」
「それが…… 他言無用と言われていて、話せないんだ」
「そいつは気になるな。じゃが、友になったという事は、そいつらは味方になってくれるという事だな」
「おそらく、協力してくれると思う」
「タクト、それはすごいことをしたな」
レイアがひどく感心してくれる。
「いったい誰なんじゃ、あやつか、いや、あやつか……」
何か思い出しているのだろうか、考えこみながらブツブツつぶやいている。私は脱線した話を戻そうと思った。
「話の腰を折ってしまって
レイアの表情が明るくなる。
「タクト、感謝する。共に再建していこうぞ」
「ああ。時間はそうないが、一つずつ確実にやっていこう」
私の言葉にレイアも微笑んで
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【まめちしき】
【アビス】…………
こまで読んでいただきありがとうございます。ここから主人公タクトが次々と活躍しますので、一緒に読んでいただければ幸いです!
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