第27話 織田家・農業漁業改革政策
【新岐阜城】
東に池田城・西に稲葉城と二つの安土城支店に挟まれた岐阜城。
今も織田家本拠地として信長と濃姫が暮らしている。
外見に変化はないが(濃姫のチート結界は付与済み)城内は全面リニューアル。
トイレ・キッチン・洗面所・バスルーム等水回りはもちろん、板張りの室内の全てに新品の畳を敷き詰め、井草の香りが気持ちをリラックスさせてくれる。
織田家専用・男女それぞれ200㎡の浴槽を持つ天然温泉露天風呂も用意され、新岐阜城として生まれ変わった。
その最上階にある織田家プライベートエリア。専用室内エレベーターで1階から移動してきた一団。
母子3人・侍女5人・護衛兵士5人が降りてくる。
「母上もっとエレベーターに乗りたいです。」
「我が儘言うのはお止めなさい茶々。」
「でも。。。乗りたい。。。」
「それ以上言うなら次からは階段にします!!」
「うう。。。うぅぅ。」
今にも泣き出しそうな茶々だが気丈に堪えている。
濃姫「おやおやどうしました?茶々姫。」
茶々「叔母。。。」
濃姫「ん?」
茶々「。。。濃姫様」
濃姫「よろしい。。」
岐阜城内で濃姫を叔母様等と呼ぶことは、例え姪の茶々でも許されないw
お市
「
濃姫
「ええお市殿、丁度良いところで会いましたね。少し息抜きにとパウンドケーキを焼いていたので、呼びに行くところだったのですよ。」
お市
「義姉様。。。いつも御気遣い下さり忝のう御座います。」
茶々
「やった!パウンドケーキ茶々は大好きです!」
濃姫
「ふふふ、さあこちらへいらっしゃい茶々姫。お市殿好みのレモンティーも用意してますよ。」
お市
「ケーキとレモンティー♡」
織田家専用ティールームに連れだって入る御一行。
行政大臣として忙しい中、毎日の様にお市母子に声掛けをしてくれる濃姫の優しさ。
それを感じ取っているお互いの侍女達も、親しげに話ながら笑顔で後を追う。
織田と浅井
男達は不幸にも戦にまみれたが、女衆だけでも何とか縁を繋いでいこうと、濃姫とお市は実の姉妹のように寄り添うのでした。
**********
ここから少しばかり、内政状況説明が入ります。
織田家内政改革・絶賛進行中
**********
家臣を土地の領有から切り離し金銭払いに変える。
織田家最大の政治改革に成功した信長と濃姫。
1570年4月20日から日本列島改造論に基づく、大規模インフラ工事整備が織田領地内で一斉に始まりました。
それにより織田領内は一気に近代化へと進んでいきます。
軍事基地等においてはスピード優先のため、信長チート創造錬金術コピーに濃姫の結界付与を用います。
河川改修堤防工事・新田畑開発・山林整備・上下水道・共同溝・道路普請等々の民間インフラ工事。
これは民・百姓・領民の労働力をおおいに活用。
まずは手本として3割程をチート創造で信長が作り、残りを官僚内政型Androidの細かい指導を受け、技術習得させながら織田領民に作成させる。
時間はかかりますが技能講習を受講させ、ダンプカー・ブルトーザー・クレーン車・ショベルカー等々もふんだんに使用。
中には内政型Androidよりも、優れた運転技術を披露する若者まで現れてきます。
超強力な軍事力で領土を防衛しながら、内政インフラを進めていく。その知識や技術等もAndroidから学ばせ、領民を育て上げる。
公共事業として織田宗家から賃金も日払いで保証。
職種により当然日当に差はある。
8:00~16:00(昼休憩1時間・午前午後それぞれ20分休憩あり)実働6時間20分
日当18,000円~25,000円
非力な老人や女性達は朝昼の食事支度や備品発注・整理などの仕事もある。
7:00~14:00(1時間休憩あり)実働6時間
日当12,000円~15,000円
職場には濃姫発案の託児所も完備され、戦や流行り病で夫を亡くした母親達も安心して働く事が出来、聖女濃姫様は女性から圧倒的指示を受けている。
日当以外の待遇で大人気なのが、
焼き魚&卵焼きメインの朝定食。
カツカレー・ビーフカレー等、日替り昼定食と2食もの無料提供!!
日当が高いのと、この食事に釣られて領民はみな喜んで働きに来る。
工事現場の日当支払い所前には、織田家の御用商人達の出店を許可。
但しそこで売る商品の全ては、織田家から仕入れた物しか販売出来ない。
しかも値段は上限も決められる等、厳しく管理されている。
せっかく稼いだ賃金を無駄遣いさせぬための処置で、商品も家族への土産になる米や餅・菓子パン・菓子等の飲食品。
Tシャツ・下着・ジャージ等衣類
石鹸・タオル・歯ブラシ等生活必需品を商人に安く卸、低価格で販売させている。
楽市楽座の方針とは真逆な徹底管理の政策に関して、当初信長と濃姫は疑問も感じていた。
がしかし、急に稼ぎが良くなり今までと違う高額な銭を手に入れる事が可能になった民衆達。
低収入の苦しい生活で、自由に買い物をする事に慣れていない者がほとんど。
気持ちが大きくなり、悪徳商人に騙され賃金を巻き上げられないよう、織田家御用商人のみに出店させ、商品も厳しく管理する。
スタート時点の今はそれで良いと判断したのである。
どの時代でも若い独り者の男衆達は連れだって、市中の飯屋や居酒屋で仕事帰りの一杯を楽しんでいる。
その店の営業を邪魔しないように、酒場や飯屋を敢えて織田家は出さなかった。
ここで問題になりかけたのが、公共事業に参加したくても出来ない農民達。
昔から狭い田畑を必死に耕し、少ない収穫から年貢米を払い、苦しいながらも必死に生活を守ってきた人達。
高い日当が貰え、美味い飯を2食も食べられる仕事が目の前にあるのに、何故自分達だけ田畑に縛られなきゃならんのだと。
しかも田畑を継げない次男・三男はこぞって家を逃げ出し、公共事業で日銭を稼いでいる。
その不満が爆発し離農する者が出そうになった頃、絶妙な手を打った織田信長!
1570年5月10日
伊丹・織田トリプルタワー
信長棟60F・3,000㎡の信長執務室にて。
信長が竹中半兵衛・浅野翔吾の2人に、農業漁業改革について語っている。
濃姫は侍女と共に手作りパウンドケーキを焼き、紅茶を入れている。
信長
「世界に先駆けて農業を機械化する。
土地の領有を武士と領民から切り離したのだ!狭い農地用の耕運機は作らんぞ!最初からトラクターでいく。
隣合わせの田畑を全て統合し、広い農地に作り直す。
余なら織田領地全域を1日で終わらせるのが可能だ。
そうすれば令和の大型トラクターがそのまま使える。
深く耕すリアロータリー式を主流にして、全種類アタッチメント式とする。
培土・畝立て・整地作業、何でもござれだ。
10年位は人間が座り運転するタイプで良い。いきなり自動ロボットトラクターを出すと流石にやりすぎだからな。」
信長から農機具機械・漁船等のカタログを昨夜貰い、その効率の良さに衝撃を受けた竹中半兵衛
「農地の区画整理と機械化を同時に行うのですね。これは効率が大幅にアップ致します。10人でやっていた農作業が1人で、それも体への負担も相当減ると思われます。」
「そうだ、年寄りが腰を痛めながらやる必要が無くなる。トラクターで耕した後の田植え機も大型にしてコンバインも大型を出そう。
刈取り脱穀選別まで一気に1台で済むからな。
これを織田家が全農家に貸し出す。勿論無料でだ!
これでざっとだが10人で20日かかってた200人工の農作業が、5日で終わる、しかも1人でだ!5人工だな。正確には1人と1台だが。」
浅野翔吾
「無料ですか?かなり収穫量も上がりますから、レンタル料を少し徴収しても宜しいかと。」
「勿論タダで貸すのは3年間の期間限定だ。その後はレンタル料では無く、購入のローンを組んでもらう。
最初に説明し今年の収穫量を見た上で、どうするのかは農民に決めさせれば良い。
他に転職するのであれば、それは自由だからな。」
するとその時、パウンドケーキと紅茶を持った侍女3人を引き連れ、弾けるような笑顔を見せながら、信長隣のソファーに濃姫が座る。
濃姫
「さあ皆様、私が焼いた手作りケーキと紅茶を召し上がれ。
今日の紅茶は殿好物のロイヤルミルクティーを入れましたよ。」
「おお!それは良いな。有りがたく頂こう。半兵衛、翔吾、せっかく帰蝶が焼いたケーキと紅茶だ。冷める前に馳走になろうではないか。」
半兵衛・翔吾
「「はっ!!有りがたく頂戴致しまする。。」」
信長
「う~ん。この香りと深い味わい。何とも極上であるな。」
濃姫
「やっと農地改革の話になったのですね。この日が来るのをどれだけ待ったことか。」
信長
「ふむ?待ったことかとは?」
「はいこの1月ほどの織田家では、殿の精米機が普及し白米が庶民に至るまで大流行しております。
あれは確かに美味しいのですが、玄米に豊富に入っている栄養素ビタミン類を精米段階で削ぎ落としておりまする。」
半兵衛
「濃姫様?そのビタミンとやらは何物でございましょうか?」
「人の体に無くてはならない栄養素。玄米を食してる分には心配ありません。たとえ白米しか食べなくても肉類や魚、鶏卵等からも取る事が可能です。」
半兵衛
「肉類、卵。。。ですか。。。」
「半兵衛殿、まさか私の渡した栄養バランス食事改革の献立表。
あれを無視した食事をしてはいませんよね?」
「。。。。。。(汗)」
「沈黙は肯定と取りますが。。」
信長
「半兵衛、答えぬかw」
半兵衛
「。。。肉類に関しては、カレーと共になら何とか食せます。ですが鶏卵。。時を告げる鶏の卵を食べる等と畏れ多いことに。。。」
濃姫
「黙らっしゃい
まったく。。。今そのパウンドケーキ完食してますね。どうですか!」
半兵衛
「(汗)はっははーーと、とても美味しゅうございます(汗)(汗)」
「そうでしょうとも。雪さん先ほど包んだ物を持ってきて。」
「はい、ただいま。」
雪という侍女に何やら持ってこさせた濃姫。
「半兵衛殿、これをご覧なさい。」
包みを開くと卵の殻が出てきて目を見開く半兵衛。
「先ほど完食したパウンドケーキに全部で6個使ってます。どうですか?祟られた気分になってますか?」
「うっうう~」
信長
「ふっははははははw
今孔明と呼ばれる竹中半兵衛も、帰蝶相手ではどうにもならぬか?ふはははは」
半兵衛
「御無礼つかまつりました!!半兵衛本日夕食より、食事改革献立表通りの食事を残さず食します!!」
濃姫
「良い心掛けです。では話を戻します殿様。私の持つ回復付与薬にある物を加えるととてつもなく凄い事態とあいなりました。」
半兵衛の前なので最もらしい事を言いながら、信長にテレパシーで本当の事を告げる濃姫。
『田んぼにチート回復付与を行使し鑑定した結果、精米しても栄養素が損なわれないと出ました。
しかもビタミンAにビタミンD。
タンパク質とカルシウムまで付与できるとの事です。』
『ぐっ!!!』
思わず紅茶を溢しそうになり慌てる信長。
「ほ、ほ、ほう!帰蝶、凄い事とは。。」
「はい殿、来月からの田植えで試しますのでお楽しみに。」
『ビタミンB群とビタミンEも取れますから、白米好きな織田の兵士に民衆は無敵の身体作りが可能になります。』
『わわ、わかった、でか、でかしたぞ帰蝶、、、』
「そ、そうか、ははは楽しみにしておく。。(汗)、翔吾どこまで話した!」
「はっ!農機具機械をタダで貸すのは3年間の期間限定で、農民達は農家を続けるか否か、今年の収穫量を見て判断すれば良いと。」
信長
「そうであったな(汗)
では明日より早速、余の直轄内政担当3万人を半兵衛の部下として預ける。織田領全ての農業機械化改革を行うのだ。
そうなれば体への負担も減り収穫量も増え経済的に楽になる。勿論農作業機械の製作・修理等も指導し人材育成をするつもりだ!
工事現場でも民衆の中から、優秀な運転士が多数出てきておるからな。
織田家の"農業"を一大事業として展開していくぞ。励め!!」
「3万人の部下!!!それを某に!!!畏まりました!!この竹中半兵衛、命に変えて大任果たしまする。」
「僅か2ヶ月で美濃にTOTOトイレを5割も普及させた御主だ。今も現場の連中は連日、取り付け工事に追われてると聞く。期待しておるぞ半兵衛!次は翔吾!」
「はっ!何なりと!」
「漁業も同じだ!大型漁船と網を貸し出し近代化する!直轄内政担当5千人でやり遂げよ。
志摩国の統一を果たし余に臣従し此度、所領も伊勢湾海賊働きも全て扶持払いに同意した九鬼義隆に話は付けてある。
翔吾は漁船の扱いから養殖の技術指導まで、義隆と相談しながら改革を実行せい!余の小姓と広報室長は暫く休職とする。励め!!」
「はっ!必ずや!」
『魚にも付与出来るかしら?』
『帰蝶。。。田んぼの付与で驚きすぎて疲れた。。魚に試すのはもう少し後にしよう。。』
『はい殿様、今宵はお背中をお流し致しましょう。』
『最高級ユニットバスLIXIL・SPAGE(スパージュ)も申し分ないが、帰蝶の背中ゴシゴシは余にとって何よりの癒しよ。』
何時までもお熱い事で。。。よござんしたね。。
この農業漁業改革政策は当たりに当たり、織田家領内は空前の好景気に沸くどころか沸騰する事となったのでした。
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竹中半兵衛が美濃で普及させている。TOTOの最高級トイレ・ネオレストNX。
きれいなトイレットペーパーW12ロールも爆発的人気!!
信長が前回、稲葉貞通と前田利家に恩賞として渡した内の1品の詳細。
【システムキッチン】
タカラスタンダードの最高級グレード・レミュー。
全体に木目調の落ち着いたデザインを施す国内トップシェアメーカーの人気商品を、信長チート創造で更にグレードアップ。
超強火力ガスコンロが横並びに5台。その上にはお手入れ楽ちんフラットな強力静穏換気扇。
50cm級の魚が3匹焼ける専用コンロも2台着いてる。
この魚焼きコンロ最大の特徴として、使用後の汚れと臭いを内部の自動洗浄消臭装置が綺麗に洗い流してくれる事。
魚を焼いた後の面倒な後片付けが不要!こんなの令和にもないぞ!洗った後の汚水や排水は例のごとく異空間へ吸収される。
まさにチートフィクションご都合主義てへm(_ _)m
(ゆくゆくはダムや下水処理場を作り、上下水道インフラ工事を進める予定の信長。)
150cm幅の特大シンクは蛇口が2本着いてるので、2人同時に作業できる。
ガラスと金属の合成素材、ホーローで出来た壁はマグネット収納が可能。
至れり尽くせりのキッキンを1度でも使用したら、もう従来の台所には戻れません。
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