第2章

第18話 第2章スタート!!信長・北近江姉川~横山城へ布陣

 時間的に少し余裕が出来たので、何話か書けました。


 第2章スタート

約束は来週末頃でしたが、1話だけ投稿しておきます。

 11月22日(金)から本格的に再開するつもりなので、宜しくお願いします。


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 1570年4月1日10時

 近江国 坂田郡(現:滋賀県長浜市)

 浅井家・横山城



 ズガガガガガガー!地面を削り取るような重厚な戦車の音。

 パララパララパラパララ~

 甲高いクラクション。

 ブォンブォン!!ブォォーン

 兵士輸送用大型トラックの空ぶかしする排気音。

 そもそも織田家の軍用車輌・艦船・兵器等々は全てパワー太陽光発電のパワー蓄電池バッテリー使用なので、排気音が出ることは無い。


 信長は音でも相手を威圧する目的で、昭和の暴走族の走行音を大音量スピーカーにて流しまくりながら行軍していた。


 安土城"関ケ原支店"・稲葉城を7時に出発。

 北陸脇往還街道を

 稲葉一鉄軍3,000人(全数騎馬隊)

 信長直轄第8軍団30,000人

 総員33,000の大軍勢で浅井家の横山城を目指す。

 信長は東西の要衝、不破の関所を収納し、その跡地に稲葉城(安土城)を築いた。

 横山城は浅井家一門・浅井井演が城主を勤めた城であったが1570年時点では、浅井家家臣の三田村国定が預かっている。

 稲葉城から約13kmの距離に位置する。


 浅井家本拠地の小谷城からも7km弱と近く、本日行われる織田信長、浅井長政の会談場所である。


 事前に朝倉義景や小谷城の偵察を、ステルス・ドローン50機で24時間行っている織田軍。

 緊急事の後詰めとして、稲葉城から西2km地点の関ケ原合戦跡地に

(1570)

 信長直轄第9軍団10式(改)戦車部隊300輌。

 軍用トラック部隊1,300輌のAPC9マシンガン歩兵26,000人を配置させた。

 ステルス・ドローン50機は現在も偵察中であり、リアルタイム情報は逐一信長とAndroid兵士全員に入っている。


 信長はポツリと

「朝倉宗滴さえ健在なら。。。滅ばずに済んだものを。。。愚か者めが。。。」と寂しそうに呟いた。。。


 右手に伊吹山を見ながら、圧倒的強者の風格を漂わせる織田陸軍部隊。

 稲葉軍3千の騎馬隊が疲弊しない様に、ゆっくりとした速度で3時間かけて姿を現した。


 **********


 横山城城主・三田村国定

「殿!!3万は超える軍勢ですぞ。。。それに得たいの知れない鉄の箱!馬も無しに動いておる鉄馬車!織田は戦を仕掛ける気か!!」


 浅井長政

「。。やはり兄上義兄は私を信用していないようだな。。。」


 安養寺氏種

「浅井家・織田家の同盟交渉において、お市様との婚姻をそれがしと纏めた不破光治殿も参列しているとの事。

 油断は禁物なれど御懸念には及ばないかと。」


 浅井長政

「確かにそうだな。何れにしろあの大軍に攻められたら防ぐ術は無い。新しく内政を強化するのに有効な通商条約とやらを結ぶための会談と聞いておる。

 奇抜な才を持ち合わせている御仁よ。

 父上は隙あらば討ち取れと仰せだが、多勢に無勢まずは話を聞こうではないか。」


「「御意!!」」


 **********


「全体止まれ!!」

 織田信長直轄第8軍団・吉川尚輝軍団長のキビキビとした伸びのある号令が響き渡る。


「御館様!横山城を左端として姉川から伊吹山麓まで10式(改)戦車部隊120輌配置完了!第8騎馬軍団5,000、軍用トラック部隊1,000輌のAPC9マシンガン歩兵20,000人、吉備神社辺りまで所狭しと、埋め尽くす様に布陣致しました!」


「尚輝ご苦労である!稲葉一鉄!!これへ」


「はっ!御館様まずは無事着陣お喜び申し上げます!」


「一鉄、着陣とはw戦では無いぞw不破、一鉄に何とか申せw」


「稲葉殿。。通商会談であると申しあげたでは無いですか。。穏やかにお願いいたします。」


「殿も光治も"常在戦場"忘るべからず!ですぞ!」


「おうよ一鉄!では稲葉一鉄に申し渡す!!余の側近旗本衆として稲葉騎馬隊3,000騎。

 横山城、城外最前列に陣取り会談の警護、浅井家織田家を守護する事をここに命じる!!ゆくゆく油断するでないぞ!!!」


「はっ!有り難き幸せ!この一鉄みごと大任を果たしまする!!」


「うむ、宜しく頼む!」

『55歳でこの気迫たいしたもんだw』


 浅井長政に横山城主の三田村等が、門前にて信長を迎える。


「兄上!良くおいで下さりました。」と信長に歩み寄る長政。


「久しいのお長政、壮健そうで何よりだ。」

 信長もそれに答え長政の肩に手を添える。


「早速ですがこちらへ!」

 城主の三田村自らの案内で城内へと入る信長と不破光治を含む10人の兵士達(Android)


 *****


 実はこの会談、事前交渉の席では揉めにもめた。

 まず関ケ原の稲葉城を提案する織田家と、近江横山城での会談を譲らない浅井家。


 次に織田家の城内入場者は10人までとの申し出に対し、信長の城内護衛は最低でも100人と突っぱねる織田側。


 しかも横山城内での帯刀を禁ずるとの浅井の言い分に、つまり護衛は僅か10人しかも丸腰とは会談する気はあるのか!!と憤慨して1度目の交渉は物別れとなった。


 不破光治

「殿、申し訳ございません。指示通り突っぱねたのですが、何一つ妥協してくれませぬ。」


 信長

「上出来だぞ光治!余の狙い通りの展開になっておる。会談場所も城内の人数等もどうでも良い。

 織田の軍勢が入るのを認めさせるための布石だ。

 最悪全軍で押し通るがなw」


 光治

「はあ~そう言う物でしょうか?それがしには良く分かりませぬ。。。殿が満足ならば、それで宜しいのですが。。」


「まあ見てろ光治、次の打つ手は余の書状だ。明日認めるゆえ明後日もう一度行くがよい。

 誰ぞ!!おるか!!」


 小姓

「はっ!ここに」


「急ぎ横山城に走り明後日、二度目の事前交渉打診をしてくるのだ。余の書状をお持ちしますと言えば断れまい。」


「はっ!直ぐに!」


「光治!余の読み通り浅井が動けば、必ず朝倉義景が出てくる。さすれば織田の勝ちだ。

 お主は明後日の交渉後直ぐに、

 一鉄と二人で美濃勢を纏めておけ。三千おれば良いぞ。但し全数騎馬隊にするゆえ、馬術が得意な者がよい。

 軍資金、兵糧、馬、全て余が出すゆえ頼んだぞ。」


「はっ!それは良いのですが?朝倉にございますか?一体殿は何手先まで読んでおられるのやら。。。」


 そして2日後、信長の書状を携え再び不破光治が事前交渉に赴く。

 信長の書状には


 会談場所は浅井家横山城とする。


 織田側の横山城・城内入場者は10人までとする。


 横山城入場に関して、帯刀は禁ずるとの浅井家側言い分を承服する。


 浅井家の言い分を全て飲む代わりに1つだけ交換条件として、近江への織田家入国に関しては物とする!


 これに対して浅井家はもしや戦になるのでは?と危惧し答えを持ち帰った。


 前当主の浅井久政は息子長政には図らず勝手に朝倉義景に相談。


 義景の答えは最大の目的は信長を討ち取る事。

 織田家城内入場者が丸腰10人であれば、容易く討ち取れる。

 仮に織田が万を越える軍勢で入国しても、事前に日付が判明してるため小谷城での戦備えは十分出来る。


 朝倉 景健かげたけを総大将に20,000の兵を小谷城へ駐屯させる故、安心して条件を飲み、見事信長の首級を挙げて欲しいと久政に要望した。


 喜び勇んで織田の条件を飲む様に伝えた久政。息子とはいえ浅井家当主である長政にも朝倉景健が20,000を率い援軍出兵の事を告げた。


 恩義のある朝倉家、前当主で実の父、最愛の妻お市の兄信長。

 この間で悩みに悩んだが、まずは横山城で話を聞くだけ聞こうと、結論も出ず覚悟も無いままに会談に赴いたのである。


 **********


 1570年4月1日11:00


 横山城会談の間


 会談出席は双方3人までと事前交渉で決定済み。

 迎える立場である浅井家

 当主・浅井長政

 前横山城主・浅井井演

 織田・浅井同盟の交渉役・安養寺氏種の3人

 現城主・三田村国定は"浅井久政"の命により、配下の兵士1,000人で信長を討ち取るため城内を駆け回っている。


 一方織田方は

 織田信長

 不破光治

 他もう一人。。。


 *****


 その時、ステルス偵察ドローンより信長・帰蝶・全Androidにテレパシー通信が入る。


『こちら偵察ドローン

 目標"1100ヒトヒトマルマル"小谷城出立

 構成、浅井軍8千・朝倉軍2万・総勢2万8千

 先鋒・浅井家家臣・磯野員昌騎馬軍団3千

 朝倉景健指示により足軽部隊と協調しながらの進軍にて速度遅し。

 横山城到着予測時刻"1300ヒトサンマルマル"

 繰り返す、先鋒磯野騎馬軍団3千、横山城到着時刻"1300ヒトサンマルマル"』


『尚輝!!戦車部隊全軍、姉川を離れ醍醐寺周辺山中へ移動!!身を隠せ!!敵が姉川を横山城方面に渡りきったら後方より包囲し挟撃せい!!それまで手出し無用!!敵軍の斥候には"影部隊"500を派遣するゆえ厳戒態勢を敷け!!絶体に見つかるな!!』


!!戦車部隊全軍、醍醐寺周辺山中へ移動!!身を隠します!!』


『続けて尚輝!!APC9マシンガン歩兵2万!!二手に分ける!!

 1万2千を吉備神社周辺から石田村・日吉神社まで北上!!残り8千そのまま待機!!』


『ラジャー!!1万2千、石田村・日吉神社に移動します!!』


『坂本!!前田利家の1万、安土より出立せい!!琵琶湖沿岸部を北上!!』


『ラジャー!!既に1万全員トラック乗車済み!!攻撃型ドローン100機、護衛に飛ばします!!』


『許す!!途中連合軍と鉢合わせにならぬよう偵察ドローンと密に連携しろ!!細心の注意を払え!!敵は本陣を竜ヶ鼻砦に置くはずだ!!尚輝の戦車部隊が後方より攻撃する、それを合図に長浜から一気に突っ込めと利家に伝えよ!!

 それまでは手を出すな!!』


『ラジャー!!長浜到着予定"1240ヒトニーヨンマル"!!』


『和真!!土佐中村複合基地にて尾張10号に兵1万で待機!!"1330ヒトサンサンマル"余が迎えに行く!!』


『既に1万乗船済み!!"1330"ヒトサンサンマルラジャー!!』


『琵琶湖長浜沖から小谷城へ大和主砲・口径46cm砲を叩き込む!!その前にお市等を救出するゆえ容赦はいらぬ!!』


『ラジャー!!副砲にナパーム準備済み!!如何しますか!!』


『主砲3連射の後ナパーム発射!!小谷城消滅後、浅井朝倉連合軍・後詰め部隊ど真ん中に主砲共々ナパームをぶちこめ!!ナパームの消えぬ炎で愚か者共の退路を断つ!!派手にやれ!!』


『ラジャー!!準備整え待機します!!』


『慎之助!!"1330ヒトサンサンマル"一乗谷城へ砲撃開始!!全弾ナパーム弾使用!!』


『ラジャー!!"1330ヒトサンサンマル"一乗谷城へ全弾ナパーム使用!!』


『慎之助!!朝倉義景と共に一乗谷城をナパームで焼き尽くせ!但し城下町には一切攻撃するな!!義景は20,000の軍勢を出しておる!城下に残ってるのは殆んど非戦闘員だ!!絶体に殺すな!!』


『ラジャー!!』


『一乗谷城消滅後、"1430ヒトヨンサンマル"余が尾張6号に転移し阿部軍2万を加賀国との国境に上陸させる。

 残り1万はそのまま海上にて待機。

 その際、土佐中村複合基地より和真の第6軍団留守部隊から陸兵1万に戦車90輌を持ってくる。

 越前国の混乱に乗じ尾山御坊から一向衆が出てくるのを防ぐゆえ慎之助は国境にて指揮を取れ!!』


『"1430ヒトヨンサンマル"国境移動・加賀一向衆牽制ラジャー!!』


『小谷城偵察ドローン!!市と娘たちの座標!!"1310ヒトサンヒトマル"余に知らせよ!!小谷から救い出す。』


『現在の座標5618@#ARKF

 3人同じ部屋です、"1310ヒトサンヒトマル"まで監視を続けます!!』


『ラジャー復唱する座標5618@#ARKF』


『OKです!!今は仲良く茶々姫の髪を結っております。』


『むっ!全軍(Android)に告ぐ!!長政の気配が近付いて来た、これより会談に入る。

 余の通商条約の提案にどんな反応を示すか?に鑑定させ最後のチャンスを奴に与える。

 それでも余を討ち取る気持ちが強い場合。。。。。


 全軍(Android)長政の意志とは関係無く、侵攻してくる浅井朝倉連合軍は完全に滅ぼせ。

 会談中の余を襲うとは同盟国への重大な裏切り行為!!

 これを許せば全ての武装勢力に織田家が舐められ、各地で反乱が勃発するであろう。

 天下統一等夢物語になる。降伏は認めん!!2万8千人根切りだ!!』


『『『『『ラジャー!!』』』』』


 ーーーーーーーーーーーー


 結局、信長と長政の絆よりも

 浅井朝倉の関係性が重かったんですかね?

 六角家と離反して朝倉とも揉めてしまうと、南北に敵を抱えますから。

 これは一時的に朝倉家に臣従してでも家を守るしか無かったかも?

 そこで織田信長が出てくる訳ですから、浅井家からすると息つく間も無いですよね。

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