第5話 岐阜城の奇跡TOTO最高級トイレ
1570年1月1日
元旦当日は織田家一族郎党、身内だけの集まりを例年通り
信長・帰蝶の二人は相談の上
ショッピングモールでTOTOの最高級トイレ・ネオレストNXを1台にトイレットペーパーW12ロール入りと運搬用の台車を購入。
鍵が掛けられるプレハブ個室と共に、コピーで増やし全家に男女別にして2セットずつ配った。
「昨年出会ったルイス・フロイス由来の伴天連から手に入れたトイレというお年玉だ」
と手渡されたが皆これが何なのか?使い方は?状態???
女性には帰蝶が男には信長自らが丁寧に説明する。
「きゃぁぁぁ~」
「うおぉぉぉ~」
「勝手に尻を洗ってくれるとほ…」
やはりねw全員驚愕と共に手放せなくなるのは必須。
「殿。そのお~不浄はどこに流れるのでしょうか?」
「伴天連由来の者が申すには、異空間という場所に繋がっておるらしい。
それ以上は軍事機密に等しいので話せぬとの事。
良いか皆の者!取り上げられたくなければ絶体詮索するでないぞ!」
「「「ははあーー」」」
「しかしフロイス殿は凄いですな。こんな不思議なトイレなる物しかもこんな大量に献上なされるとは。」
「ん?フロイスではないぞ。世はルイス・フロイス由来の伴天連と申した。その者が誰なのか?詮索するでない!良いな。」
「はっ畏まってごさいます。」
「それともう1つ。家族以外には話すなよ。
それを目当てに盗賊が押し込んで来るからな。
口は災いのもとだ、十分警戒せよ。」
「「「ははあーー」」」
「ん?どうした長益?」
弟の織田長益・23歳(茶人でもあり後に織田有楽斎とも称される。)
「兄上、トイレなる物も凄いですがそれがしはペーパーなるこの紙で御座います。」
「ふっ気付いたか質の良さに。」
「はい、これだけの良質な紙で…信じられません。伴天連とは恐ろしいですなあ。」
「それをトイレと共に織田ペーパーとして、今年中に尾張と美濃に普及させる。」
「左様ですか!そのお役目この長益に是非ともお申し付け下さりませんか?」
「美濃はもう竹中
帰蝶どうだ?尾張は長益で良いか?」
「はい殿、宜しいと思います。」
「うむ、あ~そうだ丁度良い皆の者。
今日よりこの帰蝶を織田家行政大臣とする。
つまり織田の内政、人事権も含め全てを司る総責任者だ!
補佐等は明日家臣達との会合で決定するが、織田一族郎党はこれよりそのつもりで接するように。」
「「「ははあーー」」」
「義姉上いや濃姫大臣様。
この長益、尾張でのトイレ普及に全力を尽くします!」
「頼りにしてますよ、長益殿。」
「はっ!必ずや!」
「長益もう良いw仕事の話しはここまでだ。
今日は帰蝶が美味いものをたっぷり用意しておる。
皆で頂こうではないか。」
朝方、台所に最新のホテル用厨房システムキッチンをセットした二人。
あたふたする料理人等の台所衆を尻目に、帰蝶が令和では老舗の
「美濃吉」和風おせち三段重を300セット取り出した。
四季折々の山海の幸。それを見事な京料理で表現している。
濃い味付けが好きな信長を始めとした織田家の面々。
物足りなさを感じぬように、まだ商品として開発はされてない醤油も用意している。
みんな余りの美味に呆気に取られながらも、楽しそうに重箱をつつく。
「濃姫様。これは味噌作りの際に少量出来る溜まりでは御座いませぬか?」
目利きの利く女子衆の質問に
「良く気付きましたね。トイレとは別に私からのお土産として、各家に5本ずつ持たせますからね。」
「こんな高価なものを5本も…」
全員がそこにひれ伏すほど感謝の気持ちを抱いた。
『帰蝶大成功だな。これで当分一族郎党から謀叛人は出ぬであろう。』
帰蝶のみにテレパシーを送り念話する二人
『はい殿様。ですが本番は家臣が集う明日に御座います。
光秀も参ります…後程打合せをお願い致します。』
『ああ、分かった。そろそろあの清酒を出してやるか。』
『八海山ですね。』
『あれは下戸のわしでも美味いのが分かる。
酒精が強いので1口しか飲めぬがな。』
その後濁ってない日本酒、帰蝶お気に入りのフルーツタルトケーキで大いに盛り上がり、お土産も持たせ大盛況で幕を閉じたのである。
**********
同日 16時
「今日の美濃吉・和風おせち三段重1,000セットは一族郎党、岐阜城護衛兵士・使用人に至るまで全員に配り終えました。
明日の家臣重臣方との食事会の出席者はお供を含め150人。
お土産も考慮し同じ1,000セット出せば間に合うかと。」
「ああ、もうコピーで用意した。
別に余っても時間停止機能で腐敗せぬから安心だ。」
「他には清酒八海山5本・醤油5本・味醂5本をそれぞれ一升瓶で。
砂糖と塩をそれぞれ10kgずつ。
フルーツタルトケーキ2ホール、ロールケーキ3本にコシヒカリを1俵(60kg)
そしてトイレでだめ押しですね。」
「今日の織田家より土産が多いな?」
「家の者達には明日の便で同じ物を同じ量
配達する段取りは済んでます。嬉しい事は二日連続の方が効果が高いですからね。」
「ふふ流石だな行政大臣。さて…問題は光秀か…」
「はい。私の従兄弟とは申せ本能寺での仕打ち、忘れる事はできません。」
「謀叛人とは言え織田家中でも1、2を争う有能な家臣になるのは間違い無いからな。
秀吉毛利攻めの与力、その際の国代え、家康接待時の鮒寿司に対して世の癇癪。
八上城人質の光秀母お牧を見殺しにした件、あれは波多野を討った余を恨んでおろう。
この人生でそれらを行わなければ、本能寺は無くなるのではと考えたりもするのだが…」
「そのうえで、殿と信忠が二人してあのような手薄な人数にて、防御力の無い京に滞在しないようにするとか。
少人数での滞在は京に限らず控えなければなりません。」
「それはそうだな。世がチート能力によってその場から逃げるのも、マシンガンや手榴弾で相手を全滅させるのも可能だ。
しかし少人数でいると謀叛を起こす引き金にもなる。
その辺りは注意するとしてだ。あ奴の扱いをどうするか?」
その後も二人で色々と話したが、光秀を亡き者にすると言う結論には至らなかった。
その理由は二つあり
いざとなれば人間を含む生物も取り込めるチート収納に入れる。
もう1つは即死以外ならもとに戻せる帰蝶のチート回復があるという二点。
いずれにしろ比叡山延暦寺に近い宇佐山城。
それに安土砦に関ケ原と堺、京都の5ヵ所に防衛拠点として、常駐守備兵士を攻撃型Android 3,000体、イージスミサイルや重機関銃、攻撃用無人ドローン機で武装した安土城を設置する。
それを今月中に行い京都や堺での宿泊地として、また延暦寺への威嚇として活用していく。
「そんなところだな。未来兵器とAndroidで完全武装した安土城を落とす事など不可能だ。
本能寺や妙覚寺に宿泊するなど今後は言語道断。それで良かろう帰蝶。」
「油断は禁物ですが謀叛など起こすだけ無駄だと天下に示しましょう。」
「良し決まりだ。では大広間に向かうぞ織田家行政大臣殿w」
「もうお戯れをw」
**********
家臣団との宴席では豪華な三段重箱に清酒、ケーキ等で心を奪われた筆頭家老佐久間信盛を始め・柴田勝家・丹羽長秀・滝川一益・羽柴秀吉・池田恒興等重臣達に混じって明智光秀も心を鷲掴みにされていた。
やはり止めを刺されたのはお年玉のトイレである。
「凄すぎる…殿は怪しか何かか?」
「怪しは酷かろう、神の遣いではないのか?」
「でなければトイレなる物の説明が付かんな。」
「安土城の件もだ。今月中に5ヵ所に築城等と人間には出来ぬ。」
「墨俣の一夜城があるぞ。」
「あれとは規模が違うだろ。」
「外観五重で内部が地上六階に地下一階!」
「そんなの5年はかかるぞ。」
「何はともあれトイレといい今宵は岐阜城の奇跡だな。」
「奇跡か。まあいい、出来なかった場合わし等重臣の石高を1万石加増すると約束してくれた。」
「1万石か~悪くないな、側室を1人増やすかなw」
「「「賛成だーわははは」」」
酒も入り皆御機嫌で城を後にした。
肝心要の明智光秀だが
『一生織田信長様にお仕えしよう。きっと天下布武を成し遂げられるに違いない!』
う~ん本当かな?
取りあえず第一段階クリアどころか大成功でしょう。
さあ安土城5ヵ所築城計画楽しみです。
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攻撃型Androidはチート創造錬金コピー術で創造した、人型Androidです。
2100年のハイテクノロジーですので、本物の人間と見分けは付きません。
その身体能力は20代~30代アスリート男性平均の約10倍以上。
オリンピックの金メダリストよりも上ですね。全員が…
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冒険者ランクSSSタイセー・ヨミウリ人外記
39話まで投稿してます。
どうぞ宜しくお願いします
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