チート織田信長・収納・転移・錬金術
下町荒川砂町銀座
第1章
第1話 本能寺が変だぞ?
天正10年6月2日(1582年6月21日)未明
馬の嘶き、甲冑の音、相当数の軍勢が響かせる足音。
『ふん、もう音すら隠す気も無いと見える。』
織田上総介三郎信長が宿舎にしている京都本能寺。
それを取り囲む軍勢に気付き覚醒していた。
「御館様、お目覚めに御座いますか?」
「お蘭(森蘭丸)、すっかり囲まれていると見えるが旗指物は?」
「惟任日向守光秀の軍勢にございます。」
「………明智か………キンカンめ、あの堅物人望の無さで日ノ本を纏められるとでも?まあよい是非に及ばず。」
「我等で血路を拓きますゆえ、妙覚寺の信忠公の元へ向かわれますよう。」
「無駄だ。キンカンの敷いた陣、幾重にも包囲しているだろう。それに奴が信忠を放置などせぬ。妙覚寺は無論、場合によっては二条新御所すら襲われるであろうな。」
「……ではこの蘭丸、謀反人明智の軍勢を、1人でも多く道連れにして参ります。」
「お蘭、御主を始め森家一族には世話になった、礼を言う。
ワシはこの身を火薬で焼き尽くす。
キンカン頭に我の首、渡すわけにはいかぬでな。今しばらく時を稼げ。」
「御意!黄泉の国を露払いしてお待ちしております。御免!」
暫くして周囲が騒がしくなってきた。
「皆の者ーー狙うは信長ただ1人だー」
「雑魚に構うなーー信長の首だー!」
「恩賞は思うがままぞー!」
本能寺内数ヶ所で出火し煙が燻り始める。
「今生の別れに敦盛でも舞いたいところだが猶予はなさそうだな。どれ最後は派手に我が身もろとも火炎放射とするかw」
ドカーーン!ズガガーーン!
本能寺奥の間で弾薬等が弾け飛ぶ激しい爆音と共に猛烈な火災が発生。
それと同時に炎に包まれ焼死体になった信長の身体から、蒼白い光の粒子が飛び出し一瞬で消滅した。
その遺体もやがて灰となり、風とともに消え去ってしまう。
この場にそれを認識できた者は誰1人いない。
**********
戦闘も終わり明智軍は必死に信長の首を探す。
激しい炎に敵味方遺体も含め焼き尽くされ、誰の者なのか性別すら判別のつかない焼死体が多数転がっている状態。
「殿、これ以上時をかけても無駄にございます。遺体の損傷が激しく敵味方の判別すらつきませぬ。
一刻も早く細川殿、筒井殿をお味方に付け、都周辺の与力国人衆を取り込み畿内を固め、安土城と近江を平定するのが急務にございます。」
明智家筆頭家老・斎藤利三の意見に首を頷き
「うむ、致し方あるまい。信長の首を手中に出来ないのは口惜しいが"時は今"だな。
内蔵助(斎藤利三)予定どおり軍を動かす。」
「はっ!織田家当主・信忠は妙覚寺を出て、二条新御所にて500ほどの兵で籠城中との事。
討ち取るのも時間の問題、与力衆も我が明智軍に味方する者が多数出るかと。では進軍致します。」
明智家筆頭家老・斎藤利三
後の世に三代将軍・徳川家光の乳母となる"春日局"の父親である。
ーーーーーーーーーー
戦国時代のスーパースター織田信長・信忠父子が無念の死を遂げる本能寺の変。
明智光秀も山崎の戦いで中国大返しを決めた羽柴軍(後の豊臣秀吉)に敗れ、僅か11日の天下で終わる。
その後の歴史は御存知の通りなのですが、何故か本能寺の変が面白くない様子の"ひねくれた神"がいたようで。
これより先は名前や年号、話し方等すべて現代風で描写致します。
年号で永禄13年と言われても??ですが、1570年と表記すれば450年以上前とすぐに分かりますからね。
名前にしても織田信長で済むところを"織田上総介平朝臣信長"なんて書いてると、自分の記憶に誤りがないかと調べたりで結果的に執筆速度も遅くなり、週に1話しか公開出来ないとか避けたいので。
戦国ファンの方やリアリティーを求める方には申し訳無いのですが、御理解の程よろしくお願いします。
そもそも
大前提としてこの話はフィクションですので、リアルではあり得ない事を楽しんで下さい。
m(_ _)m
**********
冒険者ランクSSSタイセー・ヨミウリ人外記
無事完結しました。
こちらの方も宜しくお願いします。
**********
ーーーーーーーーーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます